2006年度 ブルーリボンII ノンステップN尺
ブルーリボンII ノンステップN尺
2006年度導入車
主要諸元
メーカー:日野自動車
型式:PJ-KV234N1
車体製造:ジェイ・バス
車種名:ブルーリボンII
車体:前中扉部分ノンステップ
全長:10920mm
全幅:2490mm
全高:2960mm 2970mm 2980mm ※詳細は車両リスト参照
ホイールベース:5300mm
エンジン型式:6H1-TCC型 水冷4サイクル
過給機:ターボチャージャー
(インタークーラー付)
シリンダー配列:直列6気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク:115mm×125mm
総排気量:7790cc
最高出力:191kW(260ps)/2700rpm
最大トルク:745N・m(76kg・m)/1400rpm
搭載方法:縦置き直立
変速機:トルクコンバータ式5速AT
(アリソン製ボタン式セレクタ)
乗車定員:77名
クーラー:デンソー製
平成16年排出ガス規制(新短期規制)適合車
アイドリングスタート&ストップ
給油口左側
燃料タンク左側
車両リスト
1468 錦林出張所(京都バス) 2960mm 創味食品
1469 錦林出張所(京都バス) 2960mm 創味食品
1470 錦林出張所(京都バス) 2960mm 創味食品
1471 洛西営業所(近鉄バス) 2960mm 創味食品
1472 洛西営業所(近鉄バス) 2960mm 創味食品
1475 洛西営業所(近鉄バス) 2960mm
1476 洛西営業所(近鉄バス) 2960mm
1482 洛西営業所(近鉄バス) 2970mm
1489 錦林出張所(京都バス) 2980mm 創味食品
1490 錦林出張所(京都バス) 2980mm
1491 洛西営業所(近鉄バス) 2980mm
1492 洛西営業所(近鉄バス) 2980mm
1493 洛西営業所(近鉄バス) 2980mm
1513 錦林出張所(京都バス) 2970mm 100周年デコバス
1514 錦林出張所(京都バス) 2970mm YOCHIKA
1515 洛西営業所(近鉄バス) 2970mm
1516 洛西営業所(近鉄バス) 2970mm
1523 洛西営業所(近鉄バス) 2970mm
1524 洛西営業所(近鉄バス) 2970mm
1525 洛西営業所(近鉄バス) 2970mm
1526 洛西営業所(近鉄バス) 2970mm
1562 洛西営業所(近鉄バス) 2970mm
解 説
2006年度の大型車は2006年11月頃と、2007年2月~3月の2回に分けて導入されている。2007年2月以降の導入車は、小型車も含めてすべて日野自動車製となった。京都市バスではすでに完全入札制に移行しているので、この期の導入車をすべて日野が落札したことによる。
いすゞ自動車と日野自動車は、以前からバス事業の経営統合をすすめており、路線バスはいすゞが、観光・高速バスは日野が設計・開発を担当している。また傘下の車体製造メーカーは合併してジェイ・バスになっている。日野がブルーリボンを大幅マイナーチェンジしたブルーリボンシティとして継続製造・販売していたのは、統一車種になることが決まっていたからだろう。
日野ブルーリボンIIは、まず2004年8月からKL-LV280系のOEM供給(エルガType-A)が開始された。2004年12月にいすゞエルガPJ-LV系が発売され、2005年1月には日野ブルーリボンII PJ-KV系が発売された。ここからはいすゞと日野の統合車種という位置づけとなり、ラインナップも共通化されている。これによりブルーリボンシティは2005年8月をもって、ハイブリッド以外が生産中止となった。ただしエルガにはCNG車があるが、ブルーリボンIIには無い。
2006年度も車両更新で大量導入されたが、ホイールベース5300mmのN尺車は、ジェイ・バス製の純正車体が22台に対し、西日本車体工業製西工96MCが51台と圧倒的に多い。一説によれば、純正車体だけだとジェイ・バスの生産能力が追い付かないので、西工車体が大量導入されたとあるが、すでにいすゞPJ-LV+西工が前年度に導入されており、同じシャーシに同じ車体の組み合わせとなる日野PJ-KV+西工の組み合わせが登場してもおかしくはない。もっとも、日野純正と言える部分は、後述のいすゞ車との違い程度。
前述のように2005年度に導入されたいすゞ・エルガ(PJ-LV234N1)と基本的には同じであり、外観上の違いは、クーラーのメーカーが異なっていることや、今年度導入車より、CNGバスを除き「2005年以降標準ノンステップバス」認定ステッカーが緑色になってることくらい。
いすゞPJ-LV系と日野PJ-KV系は、新短期規制(平成16年排出ガス規制)適合車で、平成12年排出ガス規制に対して粒子状物質75%低減レベル車となっている。また超低PM車(☆☆☆適合)でもある。車内構造は前中部分ノンステップであり、ワンステップバスを基本として中扉より前部を低床部とし、後部は2段上にある構造となる。エンジンを最後部に縦置きし、その前部にトランスミッションとデファレンシャルギアが位置する構造は、従来からのリアエンジンバスと共通であり、ワンステップバスと共通部品を多用するので、コスト面でも有利である。エンジンは直列6気筒のインタークーラーターボ付きエンジンで、260psの標準出力仕様。京都市バスは勾配路線が殆ど無いので、高出力仕様は必要ないということだろう。トランスミッションはアリソン製のトルクコンバータ式5速ATを採用している。
部分ノンステップバスなので、デッドスペースが横置きエンジンのフルフラットノンステップバスよりも少なくなる。しかしその分後部の通路部が高くなるが、座席部の床との段差は無くなるので、座りやすさ・立ちやすさはこちらの方が上になる。中扉より後に座席が5列配置されているのは、2000年度導入のエルガtype-Aと同様だが、2004年度導入車以降の標準レイアウトとして、低床部左側を優先座席のロングシートとし、右側を1人掛座席4脚としている。2006年度導入車からは、車いす用のスペースは、右側の1人用座席が4脚とも折りたたみ式となり、車いす2台が搭載可能。これはすべての営業所で左右両方の給油に対応したため、燃料タンクの位置が原則左側となり、右側の出っ張りが無くなったため。N尺はホイールベースがL尺より50cm長いので、左側のロングシートは4人掛けとなる。燃料タンクの出っ張りを覆うようにロングシートが配置されており、クッションとの隙間に車いす用スロープ板が収納されている。
内装は2005年以降標準ノンステップバスとなったので、シートモケットがブルー系、床が濃いグレー、内装パネルが淡いグレーとなり、京都市バスらしさが薄まった感がある。手すりには引き続きオレンジ色のラバーが巻かれ、見やすく且つ怪我をしにくくしている。また国土交通省の認定ステッカーが緑色となった。