2006年度 ポンチョ ノンステップロング

ポンチョ ノンステップ ロング
2006年度導入車


 主要諸元 
メーカー:日野自動車
型式:ADG-HX6JLAE
車体製造:ジェイ・バス
車種名:ポンチョ(2代目)
種類:ノンステップ ロング
全長:6990mm
全幅:2080mm
全高:3090mm
エンジン型式:J05D<J5-IIF>型 水冷4サイクル
            (インタークーラー付)
シリンダー配列:直列4気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク112mm×120mm
総排気量:4728cc
圧縮比:18.0
最高出力:132kW(180ps)/2800rpm
最大トルク:490N・m(50kg・m)/1600rpm
搭載方法:横置き直立
変速機:トルクコンバータ式5速AT
            (レバー式セレクター)
乗車定員:36名
備考:国土交通省認定標準仕様ノンステップバス
   平成17年排出ガス規制適合車
   アイドリングスタート&ストップ
         ABS装備
         リース契約による導入

 車両リスト 

 2007年3月登録 

 解 説 
2005年7月から開始された小型バス・ジャンボタクシー代替モデル実証実験ですが、2007年4月に一部内容が変更されました。これに伴い2006年度新車として導入されたのが日野ポンチョ7台です。
ポンチョを名乗るのは2代目で、初代は欧州製の小型バスに対抗してつくった半日本製のバスです。シャーシ・エンジンはフランスのPSA・プジョーシトロエン製で、商用車ベースの横置きエンジン前輪駆動となっており、これに日野グループ製のボディーを架装していた。2002年~2005年の3年間で50台限定で生産され、各地のコミュニティバス等で導入されている。
2代目ポンチョは初代とは全く関連が無く、従来からある小型バスのリエッセをベースとして開発された、純日本製の小型ノンステップバスとなる。まず2004年の第38回東京モーターショーにコンセプトカー「ポンチョL」として参考出品され、これを量産化向けに仕様変更したもの。
リエッセをベースにそのままノンステップ化しただけでは、低床部がホイールベース間だけとなり、同クラスで先行していた三菱ふそうエアロミディMEに対する優位性が無い。そこで前輪を出来るだけ前に出し、フロントオーバーハングを短くして、ホイールベースを長くとり、デッドスペースになる前輪タイヤハウス上を運転席とすることで、低床部を極力広くしている。タイヤハウス上の運転席だが、小型バスなのでタイヤ径が小さく、高さが極端に高くなることもない。極力室内を広くするため、乗降扉にはプラグドアを採用している。
エンジンは、排気量4728ccの直列4気筒ターボ付きJ05D(J5-IIF)型エンジンを採用。これをリアに左寄りに横置き搭載し、変速機を右側(非公式側)に配する。ここから動力が折り返す形でクランクシャフトと平行のドライブシャフトが伸び、中央部で90度曲げられ、プロペラシャフト→デファレンシャルと伝えられる(日野パラレルトライブ)。構造としては三菱ふそうエアロミディME/MJのT-Driveとよく似ており、どちらも縦置き構造よりリアオーバーハングを極力短くする目的で開発されたもの。構造はベースとなったリエッセから引き継いでいる。2006年3月の発売開始当初は5速MTしか設定が無かったが、2006年12月に5速ATが追加された。
車体もリエッセをベースとしており、前後のガラスも同じものを使用している。フロントはトヨタグループのダイハツ・ムーヴ用丸型ヘッドライトを利用し、リアのランプ類はセレガ/ガーラと共通の丸型とするなど、トヨタグループ他社も含めた既存車種の部品を流用し、コストをかけずにリエッセとはイメージを変えている。
京都市バスで導入されたのはロング2ドア仕様で、前後共に同じ扉を採用しているので、開口部はどちらも810mmを確保しており、車いすの乗降はどちらでも可能となっている。座席は前向き仕様で、低床部左側(公式側)
には1人用が2脚、右側(非公式側)には1人用が5脚あり、そのうちの前寄り2脚は折りたたみ式で、車いす搭載時のスペースとなる。後部は2段上の4人掛けとなっており、座席定員は11名。立席定員が24名+運転席1名で、合計定員は36名となる。左側の座席を横向きで選択すると座席定員は増えるが、その分通路が狭くなるため立席定員が減ることや、乗客の移動がしにくくなるためか、こちらは選択しなかった。
2007年3月に7台がリース契約で導入された。4月1日からの小型バス・ジャンボタクシー代替モデル実証実験の一部内容変更に伴うもので、九条営業所京阪バス委託に1564~1567号車の4台、横大路営業所京阪バス委託に1568~1570の3台が配置された。84・臨南5号系統は、従来の実験ではジャンボタクシーだけで運行していたが、乗客の定員が8名では問題があるということで、実験内容の見直しで小型バスとジャンボタクシー併用に変更されることとなった。九条京阪の16号系統はエアロミディME4台からポンチョ4台に変更し、捻出したエアロミディMEは横大路MKへ転属させた。これは16号系統にはより定員の多いポンチョを使用した方がいいと判断されたためだろう。ただし配置車両数は変わらないので、予備車のエルガミオと併用されるのは従来と変わらない。また横大路京阪に配置された3台は、新たな実験として19・20・南3号系統の利用客が少ない便で運用された。
2008年1月改正で実証実験が終了し、横大路京阪の小型バスは横大路MKへ転属し、ポンチョとエアロミディMEは共通運用されるようになった。
2014年3月改正で16号系統が横大路MKへ移管され、1565~1567号車の3台が転属した。また1564号車は70号系統の運用数増加に伴い洛西近鉄に転属し、2007年度導入の1736~1740号車と共通運用されている。