2006年度 西工96MC N尺ノンステップ

いすゞ自動車+西日本車体工業
西工96MC B-I ノンステップN尺
2006年度導入車


 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:PJ-LV234N1
車体製造:西日本車体工業
車種名:西工96MC B-I
車体:前中扉部分ノンステップ
全長:10950mm
全幅:2490mm
全高:2990mm
エンジン型式:6H1-TCC型 水冷4サイクル
            (インタークーラー付)
シリンダー配列:直列6気筒 水冷4サイクル
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク:115mm×125mm
総排気量:7790cc
圧縮比:16.8
最高出力:191kW(260ps)/2700rpm
最大トルク:745N・m(76kg・m)/1400rpm
搭載方法:縦置き直立
変速機:トルクコンバータ式5速AT
            (アリソン製ボタン式セレクタ)
乗車定員:78名
備考:国土交通省認定標準仕様ノンステップバス
         アイドリングスタート&ストップ
         平成16年排出ガス規制(新短期規制)適合車
         給油口左側
         燃料タンク左側

 車両リスト 

 2006年11月登録 

 解 説 
2006年度の大型車は2006年11月頃と、2007年冬の2回に分けて導入された。2006年11月の導入は、いすゞ+西工車体が12台だけの少数派となっている。このうち1395~1398号車の4台は、ホイールベース5300mmのN尺車で、すべて九条営業所に配置された。内訳は直営と京阪バスがそれぞれ2台ずつとなる。先行して11月に西賀茂と九条に少数の新車を導入したのは、2007年3月改正で西賀茂営業所の一部が京都バスに委託され、岩倉操車場で操車する多区間系統が移管されるので、対応改造中の予備車確保が目的だったと思う。
ノンステップバスは高価なので、普及が思うように進んでいないことから、国土交通省と各メーカーで仕様を統一した「標準仕様ノンステップバス」の認証制度が2004年1月よりスタートした。フルフラットノンステップバスはこれに合致しないので、補助金が得られないことから、京都市バスもフルフラットへのこだわりを捨て、2004度以降は前中部分ノンステップバスの導入にシフトしている。もっとも、フルフラットノンステップバスは認証制度に合致しないことや、特殊部品が必要でその分価格が上昇することであまり普及が進まず、メーカー側も徐々にラインナップから外して行ったため、どっちにしても導入は出来なくなっていったが。今年度導入車より、「2005年以降標準ノンステップバス」認定ステッカーが緑色になっており、外観上からも区別できる。
キュービックからエルガにモデルチェンジしてからは、純正車体のみで導入されてきたが、2004年度より西工車体での導入が復活している。しかし2006年度のいすゞ車導入は12台の少数派であり、L尺・N尺共に西工車体のみの導入となった。
本年度導入車は、2004年12月21日にマイナーチェンジされたPJ-LV234で、新短期規制(平成16年排出ガス規制)適合車。平成12年排出ガス規制に対して粒子状物質75%低減レベル車となっており、超低PM車(☆☆☆適合)となっている。2004年度導入車と同じく部分ノンステップのType-Aがベースで、ワンステップバスを基本として中扉より前部を低床部とし、後部は2段上にある構造となる。基本がワンステップバスなので、駆動系はツーステップバスと変化は無く、キュービック時代と大きな変化は無い。エンジンを最後部に縦置きし、その前部にトランスミッションデファレンシャルギアが位置する構造は、従来からのリアエンジンバスと共通であり、ワンステップバスと共通部品を多用するので、コスト面でも有利である。エンジンはKL代までは、フルフラットのType-B以外はキュービックから引き継いだ大排気量の自然吸気V8エンジンを採用してきたが、排気ガス規制や燃費対策で中型車のエルガミオに採用されてきた直列6気筒インタークーラーターボ付きエンジンへと変更された。type-Bに搭載されていたものと基本的には同じで、搭載方法を横置きから縦置きに変更したようなもの。当然最大出力/最高トルクも同じ。トランスミッションは引き続きトルクコンバータ式5速ATを採用しているが、type-BのZF製からアリソン製となった。
エンジンがV8から直6になったので、機器類のレイアウトも変更されており、ラジエーターの位置が左側から右側になった。それに合わせてルーバーも左側から右側に変更されており、KL代と見分けるポイントでもある。
前扉はグライドスライドドアだが、スロープは設置されておらず、車いすの乗降は中扉にスロープ板を渡して行うことになる。
西工96MCは、2005年から新短期・長期排出ガス規制適合車対応となっており、ここでマイナーチェンジが行われて、灯火類や窓などの一部が改良されている。フロント部はヘッドライト下部の補助灯周りが黒く処理され、コーナリングランプが独立した。側面は従来が雨どいと窓の間が空いていなかったが、窓位置が若干下がったことで雨どいとの間が空くようになった。また中扉の戸袋窓周囲がボディ同色だったのが、黒く処理されるようになり、前部の窓と一体化した感じとなる。ただしそれでも純正エルガと比べると、黒く処理された部分は少ない。全体的なイメージとして、マイナーチェンジ前がずんぐりとしてやや重く感じるのに対し、マイナーチェンジ後はやや軽快になった感じがする。
部分ノンステップバスなので、デッドスペースがフルフラットノンステップバスよりも少なく、中扉より後に座席が5列配置されているが、2004年度導入車以降の標準レイアウトとして、左側を優先座席のロングシートとし、右側を1人掛座席4脚としている。本年度導入車からは、車いす用のスペースは、右側の1人用座席が4脚とも折りたたみ式となり、車いす2台が搭載可能。これは燃料タンクが原則左側に統一したために実現出来たこと。N尺はホイールベースがL尺より50cm長いので、左側のロングシートは4人掛けとなる。内装は2005年以降標準ノンステップバスとなったので、シートモケットがブルー系、床が濃いグレー、内装パネルが淡いグレーとなり、京都市バスらしさが薄まった感がある。手すりには引き続きオレンジ色のラバーが巻かれ、見やすく且つけがをしにくくしている。
2005年度導入車に引き続き、車内の案内表示機が大型のLCDディスプレイとなった。従来はLEDの1行表示だったので、情報量が飛躍的に増加した。また多区間系統の場合も、運賃表示をLCDで表示するので、運賃表示機を併用する必要が無くなった。その後ICカード導入に絡み、2014年以降レシップ製の機器に取り替えられた。
2006年11月に1395・1396号車が九条営業所直営、1397・1398号車が九条営業所京阪バス委託に新製配置以降、転属は全くない。どちらも2台ずつの小所帯だが、同年度の日野+西工とほぼ同仕様のため、番号以外では区別がつきにくい。
京阪バス委託配置車は、受け持ち系統変更の関係で、2014年3月から2016年3月は多区間車となっていた。