2004年度 エアロミディMJ ノンステップ

エアロミディMJ ノンステップ
2004年度車(2006年度導入)


 主要諸元 
型式:KK-MJ27HL
車体製造:三菱ふそうバス製造(MFBM)
車種名:エアロミディMJ
車体:前中扉ノンステップ
全長:8690mm
全幅:2300mm
全高:2925mm
エンジン型式:6M61-3型
過給機:なし
シリンダー配列:直列6気筒
ボア×ストローク118mm×125mm
総排気量:8201cc
圧縮比:19.0
最高出力:165kW(225ps)/2900rpm
最大トルク:588N・m(60kg・m)/1700rpm
搭載方法:横置き直立(T-DRIVE)
変速機:フィンガーコントロール式5速MT
    (FCT)
乗車定員:55名
備考:
ノンステップバス
   アイドリングスタート&ストップ
   平成10年排出ガス規制適合車
   エムケイ購入車をリースで導入
   2004年6~7月製造
   2004年8月登録(1263以外)
   2006年3月登録(1263)

 車両リスト 

 解 説 
2000年代に政策として規制緩和が行われ、バス事業への新規参入は、ハードルがかなり下がった。京都市内においても弥栄自動車がヤサカバスで洛西・桂坂地区に、セレモニー観光(当時の社名)がプリンセスラインの愛称で京都女子学園の通学輸送にそれぞれ参入した。他にタクシー業界の風雲児と呼ばれるエムケイが参入を計画し、発表までしていたが、京都市交通局等の反対で参入を取りやめます。詳細はエムケイ路線バス参入問題を参照して下さい。既に車両自体は発注済みであり、2004年6月~7月に製造された27台が納車・登録されていた。このうち今後もエムケイが特定輸送等で使用する7台を除き、残り20台は京都市バスが使用することで話がまとまった。
京都三菱ふそう販売(当時)が一旦エムケイから買い戻し、京都市バス仕様に変更した上で京都市交通局にリースされており、純粋な新車導入よりもかなり安価になったようです。リースの開始日付が2006年4月1日なので、2006年度導入とするべきかもしれないが、京都市交通局が発行する京都市交通事業白書には製造年度に基づき2004年度に分類されていることから、当ブログでも2004年度とすることにします。
京都市バスには既にエアロノーステップミディ、エアロミディMJが導入されていますが、元エムケイ車は京都市交通局が発注したものではなく、また京都市バス仕様とする際の改造も、リースということからか必要最小限とされており、前者とはかなり異なった仕様となっている。実質的には塗装を京都市バスの緑濃淡に変更し、内装も運賃箱と案内表示機を他車に合わせた程度。
行先表示機は幕式ではなくLED表示機が採用されており、これはこのまま使用することで幕にこだわって来た京都市バスとして初のLED式となっています。基本的には幕表示に準じているが、一部系統で幕と表示が大きく異なるものがある。
フロントバンパーは穴の数が異なり、前扉開閉用のスイッチもここに設けられています。実際はこれが本来の仕様で、京都市交通局が窓下にスイッチを設けているのは、別注仕様らしい。帯の太さは2003年度導入車と同じですが、フロントの局章の位置が若干下になっています。リアもバンパー部にテールランプの補助灯が設けられており、上部のテールランプは京都市バス標準の田の字形ではなく、シンプルにターンシグナルとブレーキランプがそれぞれ一灯だけです。
内装もメーカー標準仕様がベースになっており、シートモケットは青緑系の柄入り、床は青系で降車ボタンも異なります。シート配置も京都市バス仕様車が右側にロングシート、左側に前向き1人掛けなのに対し、右側に前向き1人掛け、左側にロングシートとなっています。またエムケイが市内中心部だけの運行を予定していたため、市バス仕様車とは異なり、整理券発券機やカードリーダー・ライターを中扉横に設置するスペースを確保しておらず、また配線等の対応もしていない。窓ガラスは熱線吸収ガラスではないので、ロールカーテンが設けられています。
京都市バス仕様がすべてAT車での導入なのに対し、こちらはすべてMT車となっているのは、コストダウン優先だからでしょう。各部の仕様を見ても、メーカー標準仕様がベースのためか、京都市バス仕様よりもかなり安物っぽい印象があります。これに関しては京都市バスが金かけすぎという意見もあり、判断が難しいところです。
このように市バス車両の中ではかなりの異端児なので、直営の営業所に配置されるはずもなく、すべて横大路営業所(阪急バスと京阪バスに委託)に配置されました。合計20台が導入されていますが、老朽廃車に伴う代替よりも多い台数であり、捻出した大型ツーステップ車を他所へ転出している。
横大路営業所は多区間系統を多数担当するにもかかわらず、前述の理由から均一系統にしか運用できず、定員も少ない中型車を多数抱えることになり、運用には苦心しているような気もします。
2014年3月改正で幕のデザインが大幅に変更され、それに伴いLED表示も変更されており、幕表示と大幅に異なる表示はなくなった。ラインカラーは表示できないので、通り名を反転表示させている。
ネット上ではこれを「ゴミディ」なんて侮蔑するアホもいますが、そんな奴にバスヲタ・バスファンを名乗る資格は無い!文句があるなら炎上させてみろって。

イメージ 1
京都市バス初採用のLED式行先表示機。若干斜めになっているのは、昼間に太陽光が反射して見づらくなるのを防ぐため。

イメージ 3
左の0655号車と比べると、表示機の違い(幕orLED)以外にも、ベンチレーターの形状と位置、バンパー部分などが異なっているのがわかる。

イメージ 2
内装はメーカー標準仕様がベースなので、同時期の市バス車両とも、後の標準仕様とも異なっている。また座席レイアウトは、市バスのエアロミディとは逆で、右側が前向き一人掛け、左側がロングシートになっている。このため乗車定員は京都市交通局2004年度導入車が51名なのに対し、こちらは55名となっている。

 配置の変遷 

 2006年4月~2011年3月 
すべて横大路営業所に配置され、阪急バス委託が14台、京阪バス委託が6台となった。

横大路営業所(阪急バス委託) 14台
横大路営業所(京阪バス委託) 6台

 2011年4月~2014年3月 
2011年4月からは、横大路営業所の一部委託先が変更になり、京阪バスに代わって西日本ジェイアールバスが委託先となる。

横大路営業所(阪急バス委託) 14台
横大路営業所(西日本JRバス委託) 6台

2014年3月改正からは、横大路営業所の委託先が小型バスのみエムケイ、それ以外はすべて阪急バスとなったので、20台すべて一元管理されている。