1999年度 ブルーリボン ノンステップ

日野自動車+日野車体工業
ブルーリボン ノンステップ
1999年度導入車


 主要諸元 
メーカー:日野自動車
型式:KC-HU2PMCE
車体製造:日野車体工業
種類:フルフラットノンステップ
全長:10520mm
全幅:2490mm
全高:3030mm
エンジン型式:P11C P-VI型
動弁機構:OHV 4バルブ
            (インタークーラー付)
シリンダー配列:直列6気筒
ボア×ストローク122mm×150mm
総排気量:10520cc
圧縮比:
最高出力:184kW(250ps)/2100rpm
最大トルク:883N・m(90kg・m)/1100rpm
搭載方法:横置き直立
変速機:トルクコンバータ式4速AT
            (ZF製ECOMATボタン式セレクタ)
乗車定員:60名
クーラー:
行先表示機:幕式
備考:前中扉フルフラットノンステップバス
         ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)装備
         平成6年排出ガス規制適合車
         ISS(アイドリングスタート&ストップシステム)装備
         燃料タンク右側
         給油口右側

 車両リスト 

 2000年3月登録 


 解 説 
京都市バスでは、1997年度以降はバリアフリー化を進めるため、当時の法令ではノンステップ化が出来なかったCNGバスを除き、ノンステップ車かワンステップ車を導入することにした。三菱ふそう日産ディーゼルに少し遅れて日野自動車も1997年の東京モーターショーノンステップバスを出品し、当初は排ガス規制記号なしの組立自動車扱いで一部事業者に販売された。その後、1998年10月に排ガス規制に適合し、正式に型式証明を取得し発売された。
構造的には日産ディーゼルUAいすゞキュービックと類似しており、エンジンを後部に垂直横置とし、エンジンの右側に変速機が配置され、そこから右寄りにオフセットされたデファレンシャルギヤへドライブシャフトを通している。リアオーバーハングに機器類を集中させ、デファレンシャルを中央部よりずらすことで、後輪タイヤハウス間までの低床化を実現している。駆動系が専用部品になるため、他社では外国製品を使っているが、日野はZF製の4速ATを除き、新設計の国産部品を使っている。ホイールベースは4800mmから5110mmに延長され、広めの中扉と合わせてノンステップ部分の広さは当時最大だった。前輪部のアクスルも新設計で、タイヤハウス間も車いすが通れるだけの幅を確保しており、前扉には電動スロープ板を備えている。ただし、リアオーバーハングに機器を集中させたが故のデッドスペースと、ノンステップ部分を広くしたため、中扉以降が狭くなってしまい、座席を4列とするには詰まりすぎてしまうため、仕方なく3列となる。さらに後輪タイヤハウスの上は、床よりかなり高い位置にあるため、前向きだと立ち座りに問題があるため、後ろ向き配置としている。このため後部の5人掛け座席と対面するという変則的な配置になってしまった。地方の運賃後払い方式を考慮して、前後扉が可能な設計にしたのだと思うが、実際のところ一部の事業者で3扉が導入されたに過ぎない。
車体構造は従来車に極力近づけており、屋根の高さも特に低くはしておらす、車体全体を低くしている。そのため前面スタイルはあまり変わっておらず、ここだけ見ると従来車との差は少ない。側面の外観は黒色のモールやパーツを多用しているので、かなり目立つスタイルとなっている。窓寸法は上下に拡大しているので、日産ディーゼルの試作車みたいな重苦しい雰囲気ではない。中扉より後は床高さが上がるため、窓もそれに合わせて下端を高くしているが、低床部との連続性を持たせるためか、車体の外板部分を黒くしている。
2000年3月に2台が導入され、梅津営業所に配置された。2006年3月改正で営業所の一部が京阪バスに委託された際、少数派の異端児ということからか、そちらの配置となっている。2014年3月改正から民間委託先が京阪バスから西日本JRバスへ変更になり、配置先も変わっている。
京都市バスの車両更新に伴い、2018年2月に2台とも廃車となった。