1997年度 キュービック CNGツーステップ

いすゞ自動車+いすゞバス製造
キュービック CNGツーステップ
1997年度導入車


メーカー:いすゞ自動車
型式:NE-LV288L
車体架装:いすゞバス製造
車種名:キュービックLV
車体:前後扉ツーステップ
全長:10280mm
全幅:2490mm
全高:3340mm
エンジン型式:8PF1型 水冷4サイクル
吸気方式:自然吸気式
シリンダー配列:V型8気筒
動弁機構:
ボア×ストローク
総排気量:15201cc
圧縮比:
最高出力:177kW(240ps)/2100rpm
最大トルク:1079N・m(110kg・m)/1000rpm
搭載方法:縦置き
変速機:電磁エア式5速MT
シフト:フィンガーシフト(ACT)
乗車定員:63名
クーラー:
行先表示機:幕式
備考:前後扉ツーステップバス
         CNG(天然ガス)バス
         CNGボンベ床下搭載(500ℓ)
         車内2人掛け座席主体

 車両リスト 

 1997年11月登録 

 解 説 
京都市バスでのCNG(天然ガス)バスは、モニター事業者として、1994年に日産ディーゼルCNGバスを1台導入したのが始まり。そして1997年度より本格導入することとなり、いすゞ・キュービックが5台導入された。1997年12月に第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)が国立京都国際会館で開かれるので、低公害車を積極的に導入しているとPRしたかったのだろう。
今年度以降、バリアフリー化を進めるため、基本的にノンステップ車かワンステップ車を導入することにしたものの、当時の高圧ガス保安法では鋼製ガスボンベを使わざるを得ないので、重量があることから床下搭載になり、ツーステップ車となった。
天然ガス自動車ディーゼル自動車と比較すると、黒煙やSOx(硫黄酸化物)がほぼゼロ、NOx(窒素酸化物)が60~70%低減、CO2(二酸化炭素)が20~30%低減と、環境面においては非常に優れており、出力もキュービックが搭載する8PF1エンジンは出力240PSで、ディーゼルエンジンと遜色ない。ただしディーゼル車よりも相当重いためか、あまり加速はよくないが。しかし車両価格が高価である(現行のノンステップ車で1千万円ほど高い)こと、気体を圧縮しているので液体燃料と同じタンク容量では航続距離が短いこと(燃費も悪い)、ガススタンドの場所が限られているので、運用を通常のディーゼル車とは分ける必要があること等欠点も多数ある。
車内レイアウトは特殊で、基本的に左右2人掛けで通路が狭い。一説によると床下に重量のあるガス盆ぺを搭載しているので、あまり立ち客が乗車するのは好ましくないかららしいが、真偽のほどは定かではない。幕板部にスリットがあるのは、ガスが漏れても床下に充満しないためだろう。床下にガスボンベがあるので、コンデンサー等のクーラー機器が床下に搭載できず、屋根上にクーラーユニットとしてすべて搭載している。
導入された5台のうち、6510・6511・6512号車の3台は、急行100・101号系統用に京都市電700型をモチーフとした上部がクリーム色、下部が深緑色の「チンチンバス塗装」となり、さらにダミーのポールまで装備する。CNGバスなので低公害車をPRする♥マークも入る。2005年1月からは急行101号系統専用車となり、専用の洛バスラッピング車となった。
ガスボンベを使用できる年数が法令で15年と決まっているため、それを超えて使用することができないことから、2011年度の車両更新により2012年3月までに3台すべて廃車となった。