1997年度 西工96MC リフトワンステップ

西工96MC B-II リフト付ワンステップ
1997年度導入車


 主要諸元 
メーカー:三菱自動車工業
型式:KC-MP717K改
車体製造:西日本車体工業
車体:西工96MC B-II
種類:前中扉ワンステップ 前扉リフト付
全長:10520mm
全幅:2490mm
全高:3150mm
エンジン型式:6D24型
動弁機構:OHV 2バルブ
過給機:ノンターボ(NA)
シリンダー配列:直列6気筒
ボア×ストローク130mm×150mm
総排気量:11945cc
圧縮比:19.5
最高出力:176kW(240ps)/2200rpm
最大トルク:833N・m(85kg・m)/1400rpm
搭載方法:縦置き横倒し
変速機:フィンガーコントロール式5速MT
            (FCT)
乗車定員:69名
備考:平成11年度排出ガス規制適合車
         リフト付ワンステップバス(ふれあい号)
         アイドリングスタート&ストップ

 車両リスト 

 1997年11月登録 

 解 説 
京都市バスでは、 1997年度導入車よりCNGバスを除き、バリアフリー化のためノンステップバスワンステップバスを導入する方針となる。
6514~6516号車の3台は京都市バス初のワンステップバスで、リフト付きバスふれあい号として横大路営業所に配置された。3台導入した事情は、これまでと同じく2台運用1台予備の体制とすることで、ふれあい号の所定ダイヤでツーステップバスが運用される事態が発生するのを極力避けるため。リフト付きなので純正ボディではなく西工ボディとなったが、こちらも1996年にモデルチェンジしており、京都市バス初の96MC導入でもあった。こういった背景があるので、京都市バスには96MCのツーステップバスが存在しなかった。
三菱ふそうエアロスターは、1996年9月にフルモデルチェンジして2代目となるが、京都市バスでの導入は1997年に追加されたノンステップバスが最初で、ワンステップバスは初採用となる。
エンジンは標準出力のノンターボエンジンで、フィンガーコントロール式の5速MT。高価なリフト付バスでさらに高価となるATはさすがに採用されなかった。
従来のリフト付きツーステップバスと同様に、前扉にリフトを備えており、干渉するためセーフティウインドは設けられず、代わりに左側の窓を下方に拡大したB-IIボディとなる。ワイパーブレードの長さを、窓の大きい左側だけ長くしたが、これは6514~6516号車だけの特徴となった。また前扉をグライドスライドドアとし、フロントオーバーハングを延長しているので、型式に「改」が付く。本来ワンステップバスなら、中扉にスロープを設置すれば車いすの乗降は出来るので、わざわざリフト付きにする必要はないと思うが、開発主体の1事業者であるので、簡単にはやめられない事情もあったのだと推測する。車内は従来からのリフト付ツーステップバス同様で、右側に折り畳み式シートを配し、車いす搭載時には座面を跳ね上げる。通常時は6名分のロングシートだが、3名分ずつ跳ね上げられるようになっている。左右の前輪タイヤハウス上と左側低床部で、合計4名分の前向き1人掛け座席がある。中扉よりも後部は床が1段高くなっており、座席が4列配置されている。最後部のみ5人掛けで、残り3列は右側2人掛け左側1人掛けで、定員確保も考慮されている。それでもエアロスターはややデッドスペースが大きいので、他社の西工ワンステップバスが高床部に座席が5列配置されるのに対し、4列となるのは仕方ない。
ディーゼルエンジン車については、前年度導入車よりアイドリングストップ&スタートシステムを標準搭載としているので、♥マークやアイドリングストップバスの文字を車体に入れることは無くなった(ただし1997年度導入の定期観光バスは例外的にアイドリングストップバスの文字が入る)。
1997年11月に横大路営業所に新製配置され、リフト付バスふれあい号として主に18号系統の限定ダイヤで運行されてきたが、リフト付車両の老朽更新や、中扉からスロープ板で車いすの乗降が簡単にできるノンステップバスの普及により、2011年3月改正でふれあい号は廃止された。
ふれあい号の廃止以降は、限定運用ではなくなったため、通常の大型車として運用されるようになり、運用範囲が拡大している。ただし多区間車化はされなかったので、運用は均一系統に限られた。ふれあい号のヘッドマークを取り付ける必要から、バンパー部にはヘッドマークステーがあり、ふれあい号廃止後も残っていたが、6515号車はバンパーを取り換えたので、ヘッドマークステーが無くなった。
2016年度車両更新により、6515が2017年1月に、6514・6516が3月にそれぞれ廃車された。