1996年度 西工58MC リフトツーステップ

いすゞ自動車+西工58MC B-II
ツーステップリフト付
1996年度導入車


 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:KC-LV280L
車体製造:西日本車体工業
車種名:西工58MC B-II
車体:前後扉ツーステップ リフト付
全長:10360mm
全幅:2490mm
全高:3120mm
エンジン型式:8PE1-N型 水冷4サイクル
過給器:なし(自然吸気)
シリンダー配列:V型8気筒
動弁機構:OHV 2バルブ
ボア×ストローク127mm×150mm
総排気量:15201cc
圧縮比:18.0
最高出力:176kW(240ps)/2300rpm
最大トルク:834N・m(85kg・m)/1400rpm
搭載方法:縦置き直立
変速機:フィンガーコントロール式5速MT
(ACT)
乗車定員:72名
備考:リフト付きバスふれあい号
   平成6年排出ガス規制適合車

 車両リスト 

 解 説 
1995年度導入車より平成6年排ガス規制適合車となり、形式名がU-からKC-に変わった。排気ガス規制強化に合わせてエンジンが変更になり、従来の直列6気筒エンジンから、路線バスとしてはあまり採用例の無い大排気量V型8気筒エンジンを標準とするようになった。
排気ガス規制への対策で、排気量あたりの出力をあえて抑え、その分排気量をアップさせたのだろう。低回転域でのトルクが増えるから、過負荷状態になりにくく、排気ガス対策もしやすいと思われる。また直列6気筒のまま排気量をアップさせると、エンジンの長さが長くなるのでV型8気筒とすることで前後長を抑えているのだと思う。ターボで過給するという方法もあるが、低回転でのトルクが細くなるのを嫌ったのだろう。その後2000年6月にKL-LV280/380系エルガにフルモデルチェンジ後も、路線バス用としてV8エンジンが継続使用されており、ラインナップから外れたのは、排気ガス規制強化により、2004年12月にPJ-LV234系となってからだった。つまりV8エンジンは約10年間使用されたことになる。
1995年度導入車からは、熱線吸収ガラスが標準となり、巻き上げ式ロールカーテンは廃止されました。また座席モケットはワインレッドが標準となり、これは2005年度導入車まで続くことになります。
1996年度より数年間は新車導入台数を抑制していたが、これは1997年に地下鉄東西線が新規開業し、山科・醍醐地区は京阪バスに移管して醍醐営業所が廃止されること、地下鉄烏丸線が延伸開業し、岩倉地区の市バス路線を縮小して京都バスに移管することが決定しており、老朽廃車分を賄えるため。それでも新車を少数ながら導入したのは、1997年12月に国立京都国際会館で第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議)が開かれることから、低公害車バリアフリー車は導入したかったのだろう。
6412~6414号車は前部扉に車いす用のリフトを備えた「リフト付きバスふれあい号」で、これまで導入されたいすゞ+西工リフト車と同様に、フロントオーバーハングを大きくは延長していないので、型式に「改」は付かない。リフトと干渉するセーフティウィンドウは取り付けられていないので、前面窓の公式側が下方に拡大されたB-IIボディとなる。塗装はB-Iボディと共通なので、濃緑太帯の上部が欠けている。西工58MCはこのグループが京都市バスとしては最後の導入車両となった。またツーステップバスのリフト付きもこれが最後となっている。
車内のレイアウトは、右側に横向き3名分の折りたたみ座席が2脚あり、折りたたむと車いすが2脚搭載できる。このため左側の座席は通路幅を確保するため、すべて前向きの1人掛けになっている。
前年度までは試験的に採用されたアイドリングストップ&スタートシステムは、今年度より4メーカーすべてで標準装備(CNG車を除く)となるが、側面には特に表記は無く、後部に小さい水色文字でアイドリングストップバスと表記されているだけとなった。
リフト付きバスふれあい号は、固定ダイヤで運行する必要があるが、循環系統はイレギュラーの出入庫が多くあり、固定運用には向かない。なので系統番号上は循環系統だが、実際の運用は往復系統である205号系統にだけ設定されていた。
2011年3月改正でふれあい号としての運行は終了し、それ以降は立命館輸送の快速202・205号系統や、205号系統で運用されている。
2016年度車両更新に伴い、2017年2月に6413・6414が廃車となり、残った6412は主に教習車て使用されていた。そして3月に同車が廃車となり、リフト付ツーステップバスは全廃となった。