京都市営バス五条営業所

京都市営バス五条営業所


京都市交通局五条営業所は、1961年10月に開設、2003年1月に廃止された京都市バスの営業所です、山越操車場扱いの系統を長年担当しており、私にとってなじみの深い営業所でした。

万年赤字に陥っていた京都市交通局としては、資産である土地を売却して少しでもその穴埋めをしなくてはならず、五条営業所は廃止されることになった。近隣にある梅津営業所へ統合することになるのだが、当然配置車両台数が増えるのでその分増設する必要が出てきた。実は梅津営業所は、以前に土地の有効活用する目的で、隣接する京都外国語大学に敷地の一部を売却しており、以前よりも狭くなっていたのでした。そこを拡張しなくてはならないので、職員用の駐車場を高層化し、その下にもバスを収容することにします。これにより2001年3月24日改正で五条営業所を廃止する計画でした。
しかし梅津営業所の拡張工事が大幅に遅れてしまい、五条営業所が廃止を先延ばしするしかなくなります。しかし土地は既にロームに売却することで合意しており、仕方なく売却後も土地使用料を支払って、五条営業所を暫定的に存続させることになりました。
2001年3月改正では、75・急行101・201号系統が五条営業所から梅津営業所に移管され、それに伴い使用車両も転属しましたが、拡張工事中の梅津営業所には収容できず、実際は五条営業所に停泊させて運用しており、転属は形だけになっていました。
梅津営業所の拡張工事が完成したことで五条営業所の残りの系統である10・26・59・78・急行100号系統と定期観光バスが移管され、車両も転属しましたが、その日付は2003年1月23日でした。本来ならダイヤ改正のある3月に行うでしょうけど、2ヶ月間でも土地使用料の支払いを少なくしたかったのでしょう。
五条営業所が廃止された2003年1月23日の時点では、時刻の修正等は一切行われず、車内の路線図も五条営業所の住所・電話番号のところに梅津営業所のシールを貼って訂正しただけでした。唯一変更があったのは、特205号系統の起点が西大路七条から西大路四条に変更になったくらいでしょう。この系統は五条営業所から山越操車場への出庫回送間合いで設定されており、比較的近い停留所である西大路七条起点で営業運行していました。しかし梅津営業所に移管されたので、より近い西大路四条を起点とするようになったのです。阪急西院駅からの乗り換え客が多いので、特に問題は無かったでしょう。

五条営業所の土地を購入したのは、半導体メーカーであるロームですが、跡地は日本通運京都支店自動車事業所となっています。これは本社に隣接していた日通の事業所の土地を手に入れたいロームと、事業所を建て替えたい日通が土地を交換したからです。

1997年に66号系統が廃止され、五条車庫前を起終点とする系統は五条営業所が廃止される前に無くなっていました。しかし2015年3月改正で特27号系統が経路変更され、旧五条営業所の近くには西小路花屋町停留所が新設されています。