立命館大学衣笠キャンパス学生輸送実験便

学生輸送実験便

立命館大学衣笠キャンパスの学生輸送ですが、2005年以前はあまり重視されていなかったようです。快速202号系統・快速205号系統・特205号系統(系統番号は臨時)が運行されていましたが、それほど本数は多くなく、衣笠校前停留所を利用する学生もかなり多かったと思います。しかし阪急を利用して通学する学生は、西大路四条~衣笠校前で205号系統を利用することになりますが、この系統は金閣寺道を経由することから観光客利用も多く、通学の学生と重なるととんでもないことになります。そこで2005年の夏休み明けである9月26日から、試験的に学生輸送便を増発することになりました。
午前は西大路四条→立命館大学前の特205号系統を増発し、午後は立命館大学前→京都駅前の快速205号系統を増発するというものです。特205号系統は8時台に到着する便と、10時台に到着する便がそれぞれ3便ずつが増発されました。快速205号系統は立命館大学前発が14時台・16時台・19時台にそれぞれ3本ずつだったと記憶しています。
担当は路線からかなり離れた横大路営業所京阪バス委託となります。これは小型バス・ジャンボタクシー代替モデル実証実験が7月から行われ、横大路京阪の受け持ちが減ったため、人員・車両共に余裕が出来たからでしょう。輸送実験ということで車内の音声案内と表示機は、6043号車6078号車及びエルガミオ(0190・0191・0192号車)くらいにしか対応させていなかったようで、方向幕も用意されず「臨時」幕を表示して、車体にマグネットシールを貼って対応しました。立命館大学生を対象とした便なので、これで十分だったのでしょう。もっとも「臨時だけでは何処行きかわからへんやん!」と文句を言っていたオバチャン客を目撃したこともありました。そういうオバちゃんはマグネットシールなんて見ちゃいないんでしょう。元々そういう人は対象外ですから、大きな問題にもならなかっただろうし。マグネットシールの貼付位置は特に指定されていなかったようで、後部ドアの左だったり右だったりします。また運転開始当初は、立命館大学前到着時にマグネットシールを剥がして回送していましたが、しばらくしたらそのままで回送するようになっています。この時期の車内路線図は、84号系統と臨南5号系統がシールで目隠しされ、快速205号系統がそこに追加されていました。

午前の運用はこのようになっていました。1限目対応の9時前に到着する便と、2限目対応で10時半までに到着する便がそれぞれ3便ずつ運行されました。特に2限目対応便を突発便で運行するのではなく、正式にダイヤに掲載したことが改善点ですね。

横大路営業所
↓ 回送車
西大路四条
 特205号系統 
↓回送車
三哲操車場
↓回送車&
西大路四条
 特205号系統 
↓回送車
横大路営業所

運用の順序は固定されており、6078号車6043号車エルガミオ0190号車0191号車0192号車のように運行されていました。6078・6043号車は平日は完全に専属となっていましたが、エルガミオは1台だけが運用に入り、他は別の運用に入っていたようです。

このように方向幕は臨時表示で、前と入口付近にマグネットシールを貼っていた。

到着後は回送車となる。これは入口右側に貼っているが、運転手によって位置は若干異なっていた。


午後の運用は以下のようになっていました。3限目・4限目・5限目終了後にそれぞれ3便ずつ運行されていました。

横大路営業所
↓ 回送車
 快速  205号系統 
京都駅前
 回送車
三哲操車場
 回送車
 快速  205号系統 
京都駅前
 回送車
三哲操車場
 回送車
快速  205号系統 
京都駅前
 回送車
横大路営業所

午後は快速205号系統として運行されました。当時快速205号系統はすべて九条車庫前発着となっており、京都駅までの便が設定されたのはこの時からです。九条営業所受け持ちじゃないことと、三哲操車場を使用するので、九条車庫まで行く必要が無かったからでしょうね。長距離回送となるためか、立命館大学衣笠キャンパス内のスクールバス発着場で時間調整する場合もありました。そこで停車している間にマグネットシールを貼っているのを見たこともあります。こちらも運用順序は固定で、6078号車6043号車エルガミオ0190号車0191号車0192号車)でした。

専用車両が用意されたものの、検査などで都合がつかない場合は他の車両が代走したこともありました。ただし車内表示機と音声案内は対応しておらず、運転手の肉声のみで対応していましたが、一般客が乗車することはほぼ無いので、大きな混乱は無かったように思います。

代走はあまり撮影出来ておらず、これだけしかない。
0657号車

0941号車

0951号車

5408号車

実験輸送は半年続けられ、これの結果を受けて2006年3月改正からは、快速202・205号系統と特205号系統が増発されることになりました。これには九条営業所だけでなく、梅津営業所も正式運行に加わっています。またこの後各大学輸送便が新設・増強されるきっかけともなりました。実際は従来から運行されてきたものが、正式に時刻表に掲載されるようになったこともあります。これは「幽霊バス問題」で国交省から問題にされたからというのもあるでしょうが。