2012年度 ブルーリボンシティHV M尺ノンステップ

ブルーリボンシティ ハイブリッド
ノンステップM尺
2012年度導入車

 主要諸元 
メーカー:日野自動車
型式:LNG-HU8JMGP
車体製造:ジェイ・バス(小松事業所)
車種名:ブルーリボンシティ・ハイブリッド
車体:前中扉部分ノンステップ
全長:10920mm
全幅:2490mm
全高:3280mm
エンジン型式:J08E-1M<J8-IX>型 水冷4サイクル
            (インタークーラー付)
シリンダー配列:直列6気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク:112mm×130mm
総排気量:7684cc
圧縮比:
最高出力:206kW(280ps)/2500rpm
最大トルク:853N・m(87kg・m)/1200rpm
搭載方法:縦置き直立
モーター兼発電機型式:1M型
モーター出力:41kW
変速機:フィンガーコントロール式5速MT
            (FFシフト)
乗車定員:78名(2663・2664は77名)
備考:国土交通省認定標準仕様ノンステップバス
         パラレル式ハイブリッド
         平成21年新長期排出ガス規制(ポスト新長期規制)適合車
         平成27年度燃費基準+5%達成車
         アイドリングスタート&ストップ
         3色LED行先表示機
         給油口左側
         燃料タンク左側
         電動パッケージクーラー

 車両リスト 

 2013年2月登録 

 2013年3月登録 

 解 説 
日野自動車は1991年にブルーリボンにハイブリッドシステムを搭載したHIMRを試作し、公営交通等で試験運行を行うことになった。京都市交通局もこれに協力し、京都市バス5526号車が導入されている。HIMRは1994年に正式発売されてブルーリボンのラインナップに加わった。京都市バスにも1996年度に6421~6425号車の5台が導入された。
ブルーリボンは2000年6月に平成11年排ガス規制適合を行い、大幅にマイナーチェンジされて、ブルーリボンシティと名称変更された。HIMRはやや遅れて2001年9月にワンステップバス化されてラインナップに加わった。
2005年1月にノンステップバスとなり、セレガRと共に「ハイブリッドバス」へ名称変更した。HIMR登場時にはハイブリッドという言葉はあまり世間に馴染みがなかったが、1997年に親会社でもあるトヨタ自動車からハイブリッド乗用車であるプリウスが発売され、そのシステムを採用した車種が拡大していったこと、さらに複数のメーカーからもハイブリッド車が発売されたことで、ハイブリッドという言葉が世の中に浸透してきており、省エネで環境にも優しいというイメージがついてきたこともあるだろう。その後「ブルーリボンシティ ハイブリッドシリーズ」となっている。バッテリーをトヨタ・プリウスニッケル水素電池(4基)に変更してインバータユニットを小型化し、これらを屋根上へ搭載することにより、前輪から中扉間のノンステップ化が実現している。これはCNGノンステップ車が屋根上にタンクを搭載していることをヒントにしたもの。エンジンは排気量7,684ccのJ08E-1M型(インタークーラーターボチャージャー採用、240PS)に変更され、平成17年新長期排出ガス規制に適合している。ハイブリッド車以外のブルーリボンシティが生産中止となった後も、ジェイ・バス小松事業所で2015年中頃まで生産されていたほか、エルガハイブリッドとは異なり、メーカーオプションを適用すればツーステップ仕様車も入手可能であった。なお、2006年生産分から国土交通省2005年以降標準仕様ノンステップバス認定制度に適合(標準仕様ノンステップバス認定ステッカーが緑色になっている)し、さらに、灯火器具の保安基準の変更によりボディ側面に反射器が取り付けられ、リアコンビネーションランプの位置がバンパー直上に変更されている。
2007年7月18日から平成27年重量車燃費基準に適合した車種へとマイナーチェンジされた。
2010年6月15日から平成21年新長期排出ガス規制(ポスト新長期規制)に適合させるためマイナーチェンジされた。型式はWB4.8m車がLJG-HU8JLGP、WB5.2m車がLJG-HU8JMGPとなる。ハイブリッドシステムが改良され、減速エネルギーの回生領域を拡大した。新DPRとAIR LOOP技術により、尿素SCRシステムを使わずに排出ガス規制に適合させた。出力が従来の177kW(240ps)から206kW(280ps)へアップしている。
クーラーがデンソー製の電動式パッケージクーラーとなった。これは新たに開発されたもので、クーラーのコンプレッサー駆動をエンジンではなく、インバータ付の電動コンプレッサーにより、バッテリーの電力で駆動させるもの。これにより停車時にアイドリングストップしても、短時間ならクーラーが停止しなくなった。またエンジンの直接的な負荷が少なくなるので、排出ガスのクリーン化と燃費向上にも効果がある。このためクーラーの外観が大きく変わり、電動コンプレッサーを収納している部分が大きく張り出している。
2012年5月15にマイナーチェンジされた。LJG-からの変更点はそれほど多くなく、平成27年度燃費基準を+5%達成したこと、2012年7月に行われるシートおよびシートベルトに関する保安基準の改正及び新ワンマンバス構造要件に適合させたことくらい。前モデルLJG-との外観上の違いは、後部窓のステッカーが「平成27年度燃費基準+5%達成車」から「平成27年度燃費基準+5%達成車」に変わったくらいなので、見分けることはほとんど不可能。これが2015年11月のフルモデルチェンジまで生産された最終モデルとなった。
車内の座席レイアウトは、以前から導入されていた11mクラスの部分ノンステップバスに準じており、前輪タイヤハウス上には左右とも1席ずつ、右側は1人掛け座席が4脚で、折りたたむことで2脚分で1台の合計2台車いすが搭載可能。左側は4名分の横向きロングシートで、2名分ずつ仕切られており、優先座席となっている。車いす用乗降用のスロープ板は、ロングシートの下部に収納している。後部床は2段上となており、中扉より後ろは2名分ずつ左右に4列で、最後部は5名分となる。
京都市交通局では、2009年度から車両の使用年数を従来の14年から18年に延長したため、2009~2011年度の新車導入は台数が抑えられてきたが、2012年度は18年経過して廃車される車両が多数発生するため29台が導入された。すべてブルーリボンシティ・ハイブリッドで、WB5.2m車が20台とWB4.8m車が9台となった。これは車両サイズに制約のある西賀茂営業所と横大路営業所にも導入するため。

導入当初の配置は以下の通り

2648 梅津営業所(京都市)
2650 梅津営業所(京都市)
2651 梅津営業所(京阪バス)
2652 梅津営業所(京阪バス)
2653 九条営業所(京都市)
2654 九条営業所(京都市)
2655 九条営業所(京都市)
2658 九条営業所(京阪バス)
2659 九条営業所(京阪バス)
2660 九条営業所(京阪バス)
2663 錦林出張所(京都市)
2664 錦林出張所(京都市)
2665 洛西営業所(近鉄バス)
2666 洛西営業所(近鉄バス)
2667 洛西営業所(阪急バス)
2668 洛西営業所(阪急バス)
2669 梅津営業所(京阪バス)
2670 洛西営業所(近鉄バス)
2671 洛西営業所(近鉄バス)
2672 洛西営業所(阪急バス)

2014年3月改正で方向幕をリニューアルして、ラインカラーを導入することになったため、循環系統や市内中心部の路線を多く受け持つ直営には方向幕車を配置し、LED表示機車は錦林以外の委託へ転属した。また同改正では民間委託先が大幅に変わっている。その後の転属は個別の記事を参照してください。

ラッピング広告車は、2650号車が2014年11月~2016年11月に金氏高麗人参、2668号車が2015年11月~ゆう薬局(II)。