2008年度 エルガ CNG N尺ノンステップ
エルガ(初代) CNGノンステップ(10.9m)
2008年度導入車
主要諸元
メーカー:いすゞ自動車
型式:PDG-LV234N2改
車体架装:ジェイ・バス(宇都宮事業所)
車種名:エルガ(初代)
車体:前中扉ノンステップ
全長:10920mm
全幅:2490mm
全高:3260mm
ホイールベース:5300mm
エンジン型式:6HF1-TCS型 水冷4サイクル
過給機:ターボチャージャー
シリンダー配列:直列6気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク:115mm×125mm
総排気量:7790cc
圧縮比:11.3
燃料供給装置:MPI(マルチポイントインジェクション)
最高出力:180kW(245ps)/2200rpm
最大トルク:883N・m(90kg・m)/1400rpm
搭載方法:縦置き直立
変速機:トルクコンバータ式5速AT
(アリソン製ボタン式セレクタ)
乗車定員:77名
クーラー:デンソー製
行先表示機:幕式
平成17年排出ガス規制(新長期規制)適合車
ISS(アイドリングスタート&ストップ)装備
燃料ボンベ屋根上搭載
車両リスト
2009年2月登録
解 説
いすゞ自動車と日野自動車は、バス事業の経営統合をすすめており、路線バスはいすゞが設計・開発したエルガを、日野がブルーリボンIIとして販売する。観光・高速バスは日野が設計・開発したセレガを、いすゞがガーラとして販売することになった。2004年8月からはKL-LV280系のOEM供給(エルガType-A)が開始された。
2004年12月にいすゞエルガ PJ-LV系が発売され、2005年1月には日野ブルーリボンII PJ-KV系が発売された。ここからはいすゞと日野の統合車種という位置づけとなり、ラインナップも共通化されている。これによりブルーリボンシティは2005年8月をもって、ハイブリッド以外が生産中止となった。ただしエルガにはCNG車があるが、ブルーリボンIIには無い。そして2007年2月のマイナーチェンジで新長期規制(平成17年排出ガス規制)適合車となり、基準に対してPM10%減を達成している。ここから排出ガス規制対応の識別記号がアルファベット3文字となり、いすゞエルガがPKG-/PDG-LV234系、日野ブルーリボンIIがPKG-/PDG-KV234系となった。車両総重量14t以上のMT車の一部は平成27年燃費基準に適合しておりPKG-となるが、それ以外はPDG-となる。京都市バスの導入車はATなのでPDG-となっている。CNGバスは少し遅れて2007年11月にラインナップされた。LV280系からLV-234系になった際、ディーゼルエンジンがV8から直6になったものの、CNGバスのみV8エンジンが継続されていた。今回のマイナーチェンジで新開発の直6エンジンとなった。特徴としては燃料システムにMPI(マルチポイントインジェクション)を採用したことやPMを全く排出しない点、CNG車で初めてアイドリングストップシステムを標準搭載したことが挙げられる。
いすゞエルガは2007年2月のマイナーチェンジで公式側にもエンジンルーバーが追加され、ノンステップバスでは非公式側の最後部窓が下部に拡大されており、窓の段差が無くなった。CNGバスも屋根上のガスボンベとクーラー位置以外はディーゼル車に準じた車体になっている。
駆動系はツーステップバスと基本的に同一であり、先代のキュービック時代と大きな変化は無い。エンジンを最後部に縦置きし、その前部にトランスミッションとデファレンシャルギアが位置する構造は、従来からのリアエンジンバスと共通であり、すべてのバスで共通部品を多用するので、コスト面でも有利である。エンジンは直列6気筒のインタークーラーターボ付きエンジンで、ディーゼルの標準出力仕様260psに対し245psと若干低いが最大トルクでは上回っており、性能面では大きな遜色ないと思われる。トランスミッションはCNGバスではアリソン製のトルクコンバータ式5速ATのみのラインナップになっている。
座席配置は2004年度導入車以降の標準レイアウトを基本的に踏襲しており、低床部は左側を優先座席の4人掛ロングシートとし、右側を1人掛座席4脚としている。4脚とも折りたたみ式となっており、車いすが2台搭載出来る。後部の高床部は、最後部を除き2人掛けとなっている。実は京都市バスのCNGバスでディーゼル車と同レベルの座席定員を備えたのは、エルガCNGが初めてとなった。これは後車軸の重量制限が制限内に収まっているからだろう。
内装は2005年以降標準ノンステップバスとなったので、シートモケットがブルー系、床が濃いグレー、内装パネルが淡いグレーとなり、京都市バスらしさが薄まった感がある。手すりには引き続きオレンジ色のラバーが巻かれ、見やすく且つけがをしにくくしている。車いす乗降用のスロープは、優先座席の下に収納している。
車内の案内表示機は引き続き大型のLCDディスプレイが採用されている。従来はLEDの1行表示だったので、情報量が飛躍的に増加した。また多区間系統の場合も、運賃表示をLCDで表示するので、運賃表示機を併用する必要が無くなった。