2007年度 エルガ CNG N尺ノンステップ

エルガ CNGノンステップ N尺
2007年度導入車

 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:PDG-LV234N2改
車体製造:ジェイ・バス
車体:エルガ ノンステップ Type-A CNG
全長:10925mm
全幅:2490mm
エンジン:6HF1-TCS型 直列6気筒 7790cc
搭載方法:縦置き直立
最高出力:180kW(245ps)/2200rpm
最大トルク:883N・m(90kg・m)/1400rpm
変速機:トルクコンバータ式5速AT(アリソン製)
乗車定員:77名
   CNG(天然ガス)バス
   アイドリングスタート&ストップ
   新長期規制(平成17年排出ガス規制)適合車
   デンソー製クーラー

 車両リスト 


 解 説 
2006年度の大型車は、メインのノンステップバスがm三菱ふそうワンステップバスCNGバスがいすゞ、小型バスが日野となった。
京都市バスでは毎年低公害車を数台導入している。1997年度以降は天然ガスバス(CNGバス)を導入しており、2007年度はエルガノンステップとなった。
いすゞ自動車日野自動車は、バス事業の経営統合をすすめており、路線バスはいすゞが設計・開発したエルガを、日野ではブルーリボンIIとして発売している。2004年8月からはKL-LV280系のOEM供給(≒エルガType-A)が開始された。
2004年12月にいすゞエルガPJ-LV系が発売され、2005年1月には日野ブルーリボンII PJ-KV系が発売された。ここからはいすゞと日野の統合車種という位置づけとなり、ラインナップも共通化されている。これによりブルーリボンシティは2005年8月をもって、ハイブリッド以外が生産中止となった。ただしエルガにはCNG車があるが、ブルーリボンIIには無い。そして2007年2月のマイナーチェンジで新長期規制(平成17年排出ガス規制)適合車となり、基準に対して、PMの10%減を達成している。ここから排出ガス規制対応の識別記号がアルファベット3文字となり、いすゞエルガがPKG-/PDG-LV234系、日野ブルーリボンIIがPKG-/PDG-KV234系となった。車両総重量14t以上のMT車の一部は平成27年燃費基準に適合しておりPKG-となるが、それ以外はPDG-となる。京都市バスの導入車はATなのでPDG-となっている。CNGバスは少し遅れて2007年11月にラインナップされた。LV280系からLV-234系になった際、ディーゼルエンジンはV8から直6になったものの、CNGのみV8エンジンが継続されていたが、今回のマイナーチェンジで新開発の直6エンジンとなった。特徴としては燃料システムにMPI(マルチポイントインジェクション)を採用したことやPMを全く排出しない点、CNG車で初めてアイドリングストップシステムを標準搭載したことが挙げられる。
いすゞエルガは2007年2月のマイナーチェンジで公式側にもエンジンルーバーが追加され、ノンステップバスでは非公式側の最後部窓が下部に拡大されており、窓の段差が無くなった。CNGバスも屋根上のガスボンベとクーラー位置以外はディーゼル車に準じた車体になっている。
駆動系はツーステップバスワンステップバスと基本的に同一であり、長年の実績があるリアエンジン方式。エンジンを最後部に縦置きし、その前部にトランスミッションデファレンシャルギアが位置する構造は、従来からのリアエンジンバスと共通であり、すべてのバスで共通部品を多用するので、コスト面でも有利である。エンジンは直列6気筒インタークーラーターボ付きエンジンで、ディーゼルの標準出力仕様260psに対し245psと若干低いが最大トルクではディーゼルを上回っており、性能面では大した遜色はないと思われる。トランスミッションCNGバスではMTが無く、アリソン製のトルコン式5速ATのみとなっている。
車内構造は中扉より前部が低床部で、後部は2段上にある構造となる。ディーゼル車と全く同じレイアウトであり、国交省認定ノンステバスステッカーも緑色。
座席配置は2004年度導入車以降の標準レイアウトを基本的に踏襲しており、低床部は左側を優先座席の4人掛ロングシートとし、右側を1人掛座席4脚としている。4脚とも折りたたみ式となっており、車いすが2台搭載出来る。後部の高床部は、最後部を除き2人掛けとなっている。実は京都市バスCNGバスで、ディーゼル車と同レベルの座席定員を備えたのはこのエルガCNGが初めて。
内装は2005年以降標準ノンステップバスとなったので、シートモケットがブルー系、床が濃いグレー、内装パネルが淡いグレーとなり、京都市バスらしさが薄まった感がある。手すりには引き続きオレンジ色のラバーが巻かれ、見やすく且つけがをしにくくしている。車いす乗降用のスロープは、優先座席の下に収納している。
車内の案内表示機は引き続き大型のLCDディスプレイが採用されている。従来はLEDの1行表示だったので、情報量が飛躍的に増加した。また多区間系統の場合も、運賃表示をLCDで表示するので、運賃表示機を併用する必要が無くなった。
2008年2月に3台が九条営業所京阪バス委託へ導入された。2014年3月改正で方向幕がリニューアルされ、それと前後して乗客案内がレシップ製へ取り替えられており、車内案内表示機のLCDが16:9の横長タイプとなり、音声案内が肉声から合成音声となった。同改正では九条京阪が岩倉操車を受け持つことになったので、1800・1801号車は多区間系統対応機器が搭載されている。1799号車のみ非搭載で単区間車のままになっている。
2016年3月改正で、岩倉・修学院地区が均一区間となり、九条京阪の受け持ちが全て均一系統となった。そのため1800・1801は単区間車化された