2004年度 エルガ N尺ノンステップtype-A

エルガ ノンステップtype-A N尺
2004年度導入車


 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:KL-LV280N1改
車体架装:ジェイ・バス
車種名:エルガ(初代) ノンステップtype-A
車体:前中扉部分ノンステップ
全長:10930mm
全幅:2490mm
全高:2920mm
エンジン型式:8PE1-N型 水冷4サイクル
過給機:無過給
            (自然吸気式)
シリンダー配列:V型8気筒
動弁機構:OHV 2バルブ
ボア×ストローク127mm×150mm
総排気量:15201cc
圧縮比:18.0
最高出力:177kW(240ps)/2100rpm
最大トルク:892N・m(91kg・m)/1400rpm
搭載方法:縦置き直立
変速機:トルクコンバータ式5速AT
            (アリソン製ボタン式セレクタ
乗車定員:68名
クーラー:
行先表示機:幕式
備考:国土交通省認定標準仕様ノンステップバス
         平成11年排出ガス規制適合車
         アイドリングスタート&ストップ
         給油口右側
         燃料タンク右側

 車両リスト 

 2005年2月登録 
0874 梅津営業所(京都市) 2010年度事故廃車

 解 説 
2004年度に導入されたいすゞ車は、大型ノンステップ純正車体のエルガが11台と、西工車体で導入されたのが8台の合計19台。中型ノンステップバスは純正車体のエルガミオが16台となる。
ノンステップバスは高価なので、普及が思うように進んでいないことから、国土交通省と各メーカーで仕様を統一した「標準仕様ノンステップバス」の認証制度が2004年1月よりスタートした。フルフラットノンステップバスはこれに合致しないので、補助金が得られないことから、京都市バスもフルフラットへのこだわりを捨て、本年度以降は前中部分ノンステップバスを導入して行くことになる。もっとも、フルフラットノンステップバスは認証制度に合致しないので、メーカーもラインナップから外して行ったため、どっちにしても導入は出来なくなっていったが。
いすゞと日野のバス製造事業統合に伴い、2002年10月に合弁でジェイ・バスを設立した。そして2003年10月には両社のバス車体製造子会社2社を傘下に収め、2004年10月には吸収合併している。このため2004年度導入車からはジェイ・バスの製造となっている。
本年度導入車は、2000年度導入車と同じくtype-Aと呼ばれる部分ノンステップバスで、ワンステップバスを基本として中扉より前部を低床部とし、後部は2段上にある構造となる。基本がワンステップバスなので、駆動系はツーステップバスと変化は無く、キュービックを引き継いでおり、路線バスでは珍しいV8エンジンもそのままである。8PE1-N型V8エンジンを最後部に縦置きし、その前部にトランスミッションデファレンシャルギアが位置する構造は、従来からのリアエンジンバスと共通であり、ワンステップバスと共通部品を多用するので、コスト面でも有利である。変速機は、トルクコンバータオートマチックトランスミッションを採用しているが、type-BのZF社製からアリソン社製となった。
前扉はグライドスライドドアだが、スロープは設置されておらず、車いすの乗降は中扉にスロープ板を渡して行うことになる。前部のデザインは中型車のエルガミオと共通で、ヘッドライトが縦置き4灯式になっている。これはイメージの統一及び部品共用化によるコストダウンを目指したもの。エルガミオにはセーフティウィンドウが無いが、エルガには取り付けられており、京都市バスの特注だろう。ただし設置場所の関係上あまり大きなものではなく、濃緑帯と重なっているのであまり目立たない。部分ノンステップバスなので、デッドスペースがフルフラットノンステップバスより少なく、中扉より後に座席を5列配置することが出来た。2000年度導入車との違いは、左側を4人掛(2+2)の優先座席ロングシートとし、右側を1人掛座席4脚としたこと。本来なら右側に車いす2脚分の固定場所が確保できるのだが、燃料タンクが出っ張っているので、1脚分しか固定場所が無い。また手すりにはオレンジ色のラバーが巻かれ、見やすく且つけがをしにくくしている。前年度導入車までとの外観上の共通した違いは、前述の国土交通省認定ステッカーが前部・中扉横・後部窓の3箇所に添付され、車いすマークのデザインが変更された程度。
このグループでは、0874号車が廃車になっている。2010年1月の交通事故により電柱に激突して大破してしまい、まだ償却を終えてはいなかったものの、修理されることもなく2010年度付けで廃車された。これは修理にかかる費用と、償却分を比較して廃車にしたほうが得策だと判断したのだろう。