2003年度 エルガ L尺ノンステップtype-B

エルガ ノンステップL尺 type-B
2003年度導入車


 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:KL-LV834L1
車体製造:いすゞバス製造
車体:エルガ Type-B
   前中扉フルフラットノンステップ
全長:10425mm
全幅:2490mm
エンジン:6HK1-TCC直列6気筒 7790cc
搭載方法:横置き直立
最高出力:191kW(260PS)/2700rpm
最大トルク:745N・m(76kg・m)/1400rpm
変速機:トルクコンバータ式5速AT
    (ZF製ECOMAT)
乗車定員:66名
備考:平成11年排出ガス規制適合車
   大型フルフラットノンステップバス

 車両リスト 
0686 九条営業所(京都市)  ゆう薬局グループ 

 解 説 
2003年度のいすゞ車は、純正車体で大型ノンステップのエルガが18台導入された。エルガが最初に導入された2000年度は、部分ノンステップであるtype-Aだったが、2001年度からは3年連続でフルフラットノンステップであるtype-Bとなっている。当時の京都市バスは、床に段差の無いフルフラットタイプか、それに準ずる構造にこだわっていたようです。車内に段差があると、立ち客が後部に行かないので、詰め込みが効かず、収容力がツーステップバスよりも劣ってしまうことや、段差による事故を懸念したのかもしれません。
駆動系のレイアウトは、キュービックの末期に設定されたノンステップのものを踏襲しています。エンジンは6HK1-TCC直列6気筒7790ccで、キュービックよりも若干排気量が増えており、インタークーラー付きターボの装着により、出力191kW(260PS)/2700rpm、トルク745N・m(76kg・m)/1400rpmと、多少パワーもアップしており、type-AのV8エンジンと遜色の無いパワーを発揮しています。横置きされたエンジンにZF製トルクコンバータ式OD5速ATを組み合わせ、前輪部分はハンガリー・ラーバ製のアクスルを使ったセンタードロップ式アクスルにより、後部までのフラットな床が実現されています。その分機器類を後部に集約しており、若干デッドスペースが大きくなっています。type-Aでは中扉以降に5列座席を配置しているが、type-Bでは5列分は配置できず、4列としている。これはデッドスペースの関係もありますが、フルフラット故に通路と座席部分の段差が大きくなり、座席間隔を広めにしないと、座ったり立ったりがやりにくくなることもあるでしょう。当然その分定員が減少しており、2000年度導入のtype-Aが70名なのに対し、66名となっています。
前扉はグライドスライドドアだが、スロープは設置されておらず、車いすの乗降は中扉にスロープ板を渡して行うことになる。前部のデザインは、中型車のエルガミオと共通で、ヘッドライトが縦置き4灯式になっている。これはイメージの統一及び部品共用化によるコストダウンを目指したもの。エルガミオにはセーフティウィンドウが無いが、エルガには取り付けられており、これは京都市バス特注のようで、取りつけている事業者はあまりないようです。ただし設置場所の関係上あまり大きなものではなく、濃緑帯と重なっているのでそれほど目立ちません。エンジン部分のルーバーは、type-Aが左側にあるのに対し、type-Bは右側上部にあります。また側面後端部に窓が無いので、type-Aとは外観上からも区別が付きます。
導入された18台は、前半導入の11台(0679~0689号車)のうち、0679~0684号車が梅津営業所に新製配置され、0685~0689号車が九条営業所に新製配置となる。しかし梅津配置の6台は、直後のダイヤ改正で九条営業所に転属しており、結局前半導入車はすべて九条営業所配置になりました。後半導入の7台(0714~0720号車)は梅津営業所に新製配置されています。前半導入車のうち、0679・0680号車が転属を繰り返したものの、2013年春に九条営業所直営へ出戻っており、前半導入車は再度すべて九条直営配置となった。梅津営業所新製配置車は、2006年3月改正で0714・0715号車が直営配置、0716~0720号車が京阪バス委託配置となったが、0716号車は2012年3月に直営へ転属した。そして2014年3月改正からは、梅津の民間委託先が西日本JRバスへ変更になり、0716号車が梅津JRに再び転属している。この時点ではすべて単区間車だったが、2015年3月からは梅津JRで廃車となった多区間ツーステップ車の代替として、0719・0720号車の2台が多区間車化された。
2003年度導入車18台のうち、8台がラッピング広告車の経歴がある。2015年3月現在では4台がラッピング広告車。