2000年度 レインボーHR ノンステップ

日野自動車+日野車体工業
レインボーHR ノンステップ 
2000年度導入車

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 主要諸元 
メーカー:日野自動車
型式:KL-HR1JNEE
車体架装:日野車体工業
車種名:レインボーHR(中型長尺車)
車体:前中扉部分ノンステップ
全長:10490mm
全幅:2300mm
全高:2885mm
エンジン型式:J08C<J-VA>型 水冷4サイクル
吸気方式:自然吸気式
シリンダー配列:直列6気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク114mm×130mm
総排気量:7961cc
圧縮比:19.2
搭載方法:横置き直立
最高出力:162kW(220ps)/2900rpm
最大トルク:569N・m(58kg・m)/1600rpm
変速機:フィンガーコントロール式5速MT
            (FFシフト)
乗車定員:62名
クーラー:
備考:平成11年排出ガス規制適合車
         中型車幅長尺前中扉ノンステップバス
         アイドリングスタート&ストップ
         給油口右側
         燃料タンク右側

 車両リスト 

 解 説 
2000年度は、大型ノンステップ以外に中型車をベースに車体を延長した「中型ロング」と呼ばれる中型車幅の10.5m車を導入した。内訳は日野が8台、日産ディーゼルが7台である。
日野の導入車はレインボーHRで、1999年に登場した中型車幅のノンステップバス専用車種。ラインナップは7m、9m、10.5mの3種類があった。ただし10.5mは2000年7月に追加でラインナップされた。
構造は後部に直6エンジンを横置きし、アングルドライブ(日野パラレルドライブ)を採用することで、低床化させている。中扉から後は、9mと10.5mは1ステップ+スロープとなっており、フルフラットノンステップとワンステップベース部分ノンステップの中間的な構造となっている。トランスミッションはすべて5速MTであり、すべてATとなるブルーリボンノンステップよりも低コストでノンステップバスが導入出来るため、MTを好む事業者やノンステップバスの導入コストを下げたい事業者に積極的に導入された。またいすゞエルガミオには中型長尺車が無いため、10.5m車だけ2003年末から供給され、エルガJとして販売された。
フロントデザインはレインボーRJをマイナーチェンジしたもので、ヘッドライト周りが若干異なる。非常口が非公式側中央部にあるのは、路線バスとしては珍しい。京都市バスの特徴として、後部方向幕も前部と同じ大型を採用するが、レインボーHRではクーラーが最後部に取り付けられており、そのダクトがあるため大型方向幕を吊り下げて設置するだけの幅が無い。殆どの事業者は後部方向幕は小型のものを採用しているのでそれを前提で設計されているからだろう。そのため吊り下げるのではなく、窓の下部に据え置きで設置してあり、独特の形状となってしまった。また当時の京都市バス標準であった「田の字テールランプ」も取りつける場所が確保できないので、標準のテールランプしかない。
2004年8月には新短期規制適合車となり、駆動系が大幅に変更された。従来の直列6気筒横置き+アングルドライブという特殊なものから、直列5気筒エンジンを縦置き搭載となり、一般的なレイアウトとなった。またATも改造扱いで選べるようになっている。この駆動系変更により後部のデッドスペースが減ったため、9m車と10.5m車の客室は拡大されたが、7m車は成立出来ないためラインナップから外れている。
2007年6月からは新長期規制に対応したが、9m車はいすゞエルガミオをレインボーIIとして販売することになったため、10.5m車のみに整理された。そして2010年9月で製造終了となる。
京都市バスでは2001年3月に8台が導入され、西賀茂に4台、梅津に2台、錦林に2台が配置された。大型車並みの収容能力を低コストで導入出来るというのがメリットだったのだが、現実には中型車幅であることがネックとなり、ラッシュ時の乗客移動がスムーズに出来ないという難点があり、中型長尺車の導入は1年限りだった。また前述の理由から市内中心部の路線では使いづらいためか、2004年3月改正で洛西営業所が近鉄バスと阪急バスに民間委託化されると、8台すべてがこちらに転属してしまいました。民間委託化で収益改善効果を高めるため、大型車は新車の配置を控えて償却の済んだ中古車を転属させており、バリアフリー化が進まないので、うってつけだったってこともあるでしょう。 それに洛西ニュータウン輸送だと、特に朝ラッシュ時には途中での乗客の移動をあまり考慮しなくてもよいので、収容力があればそれでよいってことなんでしょうか。
2014年3月改正で洛西営業所の委託先が近鉄バスに一元化されたため、レインボーHRもすべて近鉄バス委託に配置となった。前述の理由からか洛西ニュータウン内の西ブロック系統で主に運用されており、京都市内に乗り入れる運用はあまり多くない。また桂坂での運用は無いようだ。
2017年2月~3月で全て廃車された。京都市バスの標準使用年数は2008年数以降18年間だが、2年前倒しして廃車となったのは、少数派であることや、中型車幅で使いにくいためだろう。