2000年度 西工96MC N尺ノンステップ

西工96MC B-I ノンステップ
2000年度導入車


 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:KC-LV832N
車体製造:西日本車体工業
車種名:西工96MC B-I
車体:前中扉フルフラットノンステップ
全長:10950mm
全幅:2490mm
全高:2920mm
エンジン型式:6HE1-TCN型 水冷4サイクル
            (インタークーラー付)
シリンダー配列:直列6気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク110mm×125mm
総排気量:7127cc
圧縮比:17.5
最高出力:169kW(230ps)/2700rpm
最大トルク:667N・m(68kg・m)/1400rpm
搭載方法:横置き直立
変速機:トルクコンバータ式4速AT
            (ZF製ECOMATボタン式セレクタ)
乗車定員:63名
         平成6年排出ガス規制適合車
         アイドリングスタート&ストップ
         給油口右側
         燃料タンク右側
         KBSかたつむり大作戦25周年記念寄贈車

 車両リスト 

 2000年4月登録 

 解 説 
京都市交通局では、1997年度以降バリアフリー化を進めるため、構造上不可能なCNGバスを除き、ワンステップバスノンステップバスを導入してきた。ノンステップバスについては、1996年度の三菱ふそうから始まり、日産ディーゼル、日野と毎年違うメーカーで導入しており、1999年度はいすゞが初導入となった。ノンステップバスの開発は三菱と日産がやや先行しており、それを日野といすゞが追う形となっていたが、これは両社のバス事業統合との絡みもあったのだろう。まず1998年に排ガス規制記号無しで販売が開始され、10月に排ガス規制に適合しKC-LV832となったもの。
ノンステップ化するための駆動系レイアウトは、他社のものと類似しており、エンジンを後部に垂直横置き搭載し、ZF製のトルコン式ATとハンガリー・ラーバ製のアクスルを使ったセンタードロップ式アクスルにより、後部までのフラットな床を実現している。後部に機器を集約する関係で、デッドスペースが生じているのも他社と同様。エンジンはキュービック標準のV8型ではなく、中型車用7127cc直列6気筒インタークーラー付ターボで出力アップしたものを採用している。これはV8エンジンは高さこそ低いものの幅があるので、機器を集約して低床化を実現するフルフラットノンステップには向かないため。この構造はエルガにモデルチェンジ後もtype-Bとして継承された。
キュービック世代のノンステップ車であり、殆どの事業者は純正車体キュービックでの導入だが、京都市交通局では西工96MCでの導入となった。これは全国的に見ても少数派であり、他に採用したのは大阪市交通局だけという非常にレアなもの。これはいすゞシャシーが対応していたからこそ実現したものだが、西工と仲の良い日産ディーゼルが対応して無くて、いすゞが対応しているというのが面白いところです。
西工96MC車体は1997年度から京都市バスでも導入されているが、これまではすべてリフト付きワンステップ車だったので、セーフティウインドウの無いB-IIでしたが、今年度からはワンステップバスも含めてすべてB-Iとなり、セーフティウインドウ付きのため、ウィンカーとスモールライトがバンパーコーナーにレイアウトされる京都市バス特有の顔つきになりました。
前扉はグライドスライドドアで、さらに電動式スロープも装備しています。これは日野車と同様に前輪タイヤハウス間を広く取ってあり、車いすも通行可能になっているため。後輪タイヤハウス上の座席は、従来は三菱と日野が後ろ向きに設置、日産ディーゼルは設置していなかったが、今回のいすゞ車はタイヤハウス形状の改善により、前向きに設置されている。クーラーはユニット化されているので、屋根上はコンデンサとベンチレーターのみの搭載となる。
ホイールベースは1999年度のKC-LV832Lより500mm長いが、全長の差が460mmなのは理由がよくわからない。
キュービックノンステップの販売期間は短く、2000年にはエルガにモデルチェンジされたため、京都市バスでの導入は、1999年度の3台と2000年度の1台だけにとどまった。
2000年度に導入された0094号車は、地元の放送局であるKBS京都主催の交通安全キャンペーン「かたつむり大作戦」の25周年を記念し、KBS京都と財団法人京都新聞社会福祉事業団から寄贈されたもの。車内モケットも当時の標準であるワインレッドではなく、青地に「KBSかたつむり大作戦2000」の文字とロゴの入った特別仕様になっている。1999年度導入車と異なりホイールベース5300mmのN尺となったのは、観光系統用なので定員を多くしたかったのと、寄贈を名目に試験的に導入した可能性もあると思う。
当初は以前の京都市電をモチーフとしたアイボリーとグリーンのツートンカラーだったが、2005年1月以降は洛バスラッピングされている。
2007年3月改正で急行101号系統が梅津営業所から烏丸営業所へ専用車両ごと移管されたが、0094号車は全長の長いN尺なので烏丸営業所には配置出来ないため、一般塗装に変更されて九条営業所京阪バス委託へ転属している。ただし内装には変更が無く、特徴あるシートモケットは健在。

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シートモケットは、KBS京都かたつむり大作戦からの寄贈なので、カタツムリのイラストとロゴ入りの特別仕様となっている。