1998年度 エアロスター CNGツーステップ

エアロスター CNGツーステップ
1998年度導入車


 主要諸元 
メーカー:三菱自動車工業
型式:KC-MP717改
車体製造:三菱自動車バス製造
種類:前後扉ツーステップ
全長:10190mm
全幅:2490mm
全高:3220mm
エンジン型式:6D24-CNG
動弁機構:OHV 2バルブ
給気方式:自然給気式
シリンダー配列:直列6気筒
ボア×ストローク130mm×150mm
総排気量:11945cc
圧縮比:
最高出力:177kW(240ps)/2200rpm
最大トルク:834N・m(85kg・m)/1000rpm
搭載方法:縦置き横倒し
変速機:フィンガーシフト電磁エア式5速MT
    (FCT)
乗車定員:69名
備考:前後扉ツーステップバス
   天然ガス(CNG)バス


 車両リスト 

 1999年3月登録 

 解 説 
京都市交通局ではモニター事業者として、1994年に日産ディーゼルCNGバスを1台導入した。そして1997年度より本格導入することとなり、いすゞ・キュービックが5台導入された。1998年度もCNGバスを5台導入したが、いすゞ・キュービックが6660~6662号車の3台、三菱ふそうエアロスターが6663・6664号車の2台となる。
1997年度以降はバリアフリー化を進めるため、基本的にノンステップ車かワンステップ車を導入することにしたものの、当時の高圧ガス保安法では鋼製ガスボンベを使わざるを得ないので、重量があることから床下搭載になり、当然今年度導入車もツーステップ車となった。こういった事情から、ニューエアロスターに関しては、ノンステップバスが先に導入され、後からツーステップバスが導入されるという、珍しい事態になっている。
ボディは先代エアロスターと比べると、側面窓が垂直に近くなり、上部の窄まりが殆ど無く、直方体に近い形だが、コーナー部に丸みを持たせてあり、西工ボディよりも柔らかな印象。セーフティウインドウは引き続き標準装備となる。後部はリアオーバーハングのアプローチアングルを大きめにしてあり、その分リアバンパー位置も高くなっている。このためやや腰高な感じを受ける。また四方に低公害車をPRするマークを貼ってある。
天然ガス自動車ディーゼル自動車と比較すると、黒煙やSOx(硫黄酸化物)がほぼゼロ、NOx(窒素酸化物)が60~70%低減、CO2(二酸化炭素)が20~30%低減と、環境面においては非常に優れており、出力もニューエアロスターが搭載する6D24-CNG型エンジンは出力240PSで、ディーゼルエンジンと遜色ない。しかし車両価格が高価である(現行のノンステップ車で1千万円ほど高い)こと、気体を圧縮しているので燃料の総量としてはそれほど多く搭載出来ないこと、燃費自体はディーゼル車より劣ること、ガススタンドの場所が限られているので、運用を通常のディーゼル車とは分ける必要があること等欠点も多数ある。ニューエアロスターCNG車は正式ラインナップではなく改造車としての販売だったので、型式に改が付く。
車内レイアウトはいすゞキュービックCNGと同様に、基本的に左右2人掛けで通路が狭い。一説によると床下に重量のあるガスボンベを搭載しているので、あまり立ち客が乗車するのは好ましくないかららしいが、真偽のほどは定かではない。幕板部にスリットがあるのは、ガスが漏れても床下に充満しないためだろう。床下がガスボンベで一杯なので、コンデンサー等のクーラー機器を搭載出来ず、屋根上にクーラーユニットとしてすべて搭載している。
新製時より横大路営業所に配置され、単区間系統で運用されていた。
2006年3月に梅津営業所直営に転属し、平日は同改正で増発された快速205号系統で運用され、土曜休日は急行100・101号系統で運用された。これは洛バスCNG車の予備も兼ねていた。2007年3月改正で急行101号系統が烏丸直営に移管されてからは、土曜休日の急行100号系統の増発便や定期用車両の予備車として扱われていたようです。それでも末期はあまり調子が良くないようで、殆ど稼働していなかったようです。
CNGバスははガスボンベの耐用年数が15年のため、京都市交通局が財政難により2009年度以降標準使用年数を14年から18年に延長したものの、CNGバスは対象外となっていた。このため本来なら2013年春の新車導入と入れ替わりに廃車になるところだが、前述のように調子が良くないためか1年前倒しで2012年3月に2台とも廃車になっている。