1995年度 西工58MC リフトツーステップ

西工58MC B-II ツーステップ リフト付
1995年度導入車

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 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:KC-LV280L
車体製造:西日本車体工業
車体:西工58MC B-II
   前扉リフト付き前後扉ツーステップ
全長:
全幅:2490mm
エンジン:8PE1-N型 V型8気筒 15201cc
搭載方法:縦置き
最高出力:176kW(240ps)/2300rpm
最大トルク:834N・m(85kg・m)/1400rpm
変速機:フィンガーコントロール5速MT
    (ACT)
乗車定員:
備考:前後扉ツーステップバス
   平成6年排出ガス規制適合
   リフト付きバスふれあい号

 車両リスト 

 黒太数字の号車は廃車済。

 解 説 
1995年度導入車より平成6年排ガス規制適合車となり、形式名がU-からKC-に変わった。排気ガス規制強化に合わせてエンジンが変更になり、従来の直列6気筒エンジンから、路線バスとしてはあまり採用例の無い大排気量V型8気筒エンジンを標準とするようになった。
排気ガス規制への対策で、排気量あたりの出力をあえて抑え、その分排気量をアップさせたのだろう。低回転域でのトルクが増えるから、過負荷状態になりにくく、排気ガス対策もしやすいと思われる。また直列6気筒のまま排気量をアップさせると、エンジンの長さが長くなるのでV型8気筒とすることで前後長を抑えているのだと思う。ターボで過給するという方法もあるが、低回転でのトルクが細くなるのを嫌ったのかもしれない。この辺りは個人的な推測なので、違っているかもしれない。その後2000年6月にKL-LV280/380系エルガにフルモデルチェンジ後も、路線バス用としてV8エンジンが継続使用されており、ラインナップから外れたのは、排気ガス規制強化により、2004年12月にPJ-LV234系となってからだった。つまりV8エンジンは約10年間使用されたことになる。
1995年度導入車からは、熱線吸収ガラスが標準となり、巻き上げ式ロールカーテンは廃止された。また座席モケットはワインレッドが標準となり、これは2005年度導入車まで続いている。
6304~6306号車は前部扉に車いす用のリフトを備えた「リフト付きバスふれあい号」で、前年度導入の6122~6124号車と同様に、フロントオーバーハングを延長していないので、型式に「改」は付かない。いすゞキュービックの純正車体は、独特の前面形状をしており、シャーシ設計上フロントオーバーハングが長めになっている。このためグライドスライドドアを採用しても、シャーシに手を入れる必要が無かった。リフトと干渉するセーフティウィンドウは取り付けられていないので、前面窓の公式側が下方に拡大されたB-IIボディとなる。塗装はB-Iボディと共通なので、濃緑太帯の上部が欠けている。
車内のレイアウトは、右側に横向き3名分の折りたたみ座席が2脚あり、折りたたむと車いすが2脚搭載できる。このため左側の座席は通路幅を確保するため、すべて前向きの1人掛けになっている。
新製当初は梅津営業所配置となり、31号系統で運用されていた。1999年3月改正で31号系統が烏丸営業所に移管され、新たに91号系統用となる。そして2001年3月改正で91号系統が洛西営業所に移管されると、ふれあい号のダイヤを維持するため6304~6306号車も洛西営業所に転属した。洛西営業所には29号系統・西5号系統のリフト付きバスふれあい号用として5524・5525号車と5683号車があったので、合計6台を3つの系統で運用していたようだ。そして2004年3月改正で洛西営業所が民間委託化され、91号系統を受け持つ阪急バス委託には、5524号車と6304・6305号車が配置される。近鉄バス委託には5525・5683・6306号車が配置された。5524・5525・5683号車は経年により2007年3月までに廃車となり、リフト付きバスの運用が組めなくなったので、一般のツーステップ車と同様の扱いとなった。この時期6306号車が阪急バス委託となり、1995年度の元リフト車3台の配置が同じになる。
2011年3月にはCNGノンステップバス0924~0926号車とトレードされる形で近鉄バス委託配置となった。
2013年度新車導入で、リフト付きバス6304・6305・6306号車は全て廃車された。