京都22か65-13

 京都22 か 65-13 

1997年度導入
2012年3月廃車
型式:いすゞ自動車 NE-LV288L
車体:いすゞバス製造 キュービックLV
シフト:ACT(フィンガーシフトM/T)
廃車時所属:梅津営業所(京都市)
備考:CNG(天然ガス)バス

 解 説 
 京都市交通局ではモニター事業者として、1994年に日産ディーゼルCNGバスを1台導入した。そして1997年度より本格導入することとなり、いすゞ・キュービックが5台導入された。1997年12月に第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)が国立京都国際会館で開かれるので、低公害車を積極的に導入しているとPRしたかったのだろう。
今年度以降、バリアフリー化を進めるため、基本的にノンステップ車かワンステップ車を導入することにしたものの、当時の高圧ガス保安法では鋼製ガスボンベを使わざるを得ないので、重量があることから床下搭載になり、ツーステップ車となった。
天然ガス自動車ディーゼル自動車と比較すると、黒煙やSOx(硫黄酸化物)がほぼゼロ、NOx(窒素酸化物)が60~70%低減、CO2(二酸化炭素)が20~30%低減と、環境面においては非常に優れており、出力もキュービックが搭載する8PF1エンジンは出力240PSで、ディーゼルエンジンと遜色ない。ただしディーゼル車よりも相当重いためか、あまり加速はよくないが。しかし車両価格が高価である(現行のノンステップ車で1千万円ほど高い)こと、気体を圧縮しているので液体燃料と同じタンク容量では航続距離が短いこと(燃費も悪い)、ガススタンドの場所が限られているので、運用を通常のディーゼル車とは分ける必要があること等欠点も多数ある。
車内レイアウトは特殊で、基本的に左右2人掛けで通路が狭い。一説によると床下に重量のあるガスボンベを搭載しているので、あまり立ち客が乗車するのは好ましくないかららしいが、真偽のほどは定かではない。幕板部にスリットがあるのは、ガスが漏れても床下に充満しないためだろう。床下にガスボンベがあるので、コンデンサー等のクーラー機器が床下に搭載できず、屋根上にクーラーユニットとしてすべて搭載している。
導入された5台のうち、6510・6511・6512号車の3台は、急行100・101号系統用に京都市電700型をモチーフとした上部がクリーム色、下部が深緑色の「チンチンバス塗装」となり、さらにダミーのポールまで装備する。CNGバスなので低公害車をPRする♥マークも入る。2005年1月からは急行101号系統専用車となり、専用の洛バスラッピング車となった。

 A.梅津営業所(京都市/単区間
 ~2005-01 
 
 チンチンバス塗装   観光百景ラッピング 

 
 解 説 
デジカメで本格的に市バスの写真を撮り始めたのが2005年GWからなので、洛バスラッピング以前は撮れなかった。

 B.梅津営業所(京都市/単区間
 2005-03~2006-03
 
 洛バス100号系統ラッピング   洛バス用方向幕 

 急行  100号系統 
イメージ 1
撮影:京都駅前

イメージ 2
撮影:京都駅前

イメージ 3
イメージ 4
撮影:京都駅前

 回送車
イメージ 5
撮影:京都駅前

イメージ 6撮影:下京区総合庁舎前

 解 説 
2005年1月から洛バスラッピングの対象となり、専用ラッピングが施された。急行100号系統用のラッピングデザインは、春の桜をイメージした桃色を基調としたものが採用されている。ただし屋根やクーラー部はラッピングされていないので、6513号車はチンチンバス塗装のクリーム色のままになっており、6509・6510号車とはこの点が異なる。このラッピングで低公害車をPRする♥マークは無くなり、後部扉戸袋部 地球にやさしい天然ガスバス の文字も無くなった。 
また洛バスラッピングと共に方向幕もリニューアルされ、ローマ字部分を大きくして外国人の方にもわかりやすくした。しかし急行100号系統は洛バス専用車だけではなく一般車も臨時便として多数運行されており、そちらは他の営業所も担当するため、幕は従来のままだったので、この時期は2種類の幕が混在していたことになる。方向幕の詳細は、トラックバック先の記事か、急行100号系統 - 京都市バス方向幕のブログを参照して下さい。

 C.梅津営業所(京都市/単区間
 2006-03~2008-01
 
 洛バス100号系統ラッピング   洛バス用方向幕 

 京ちゃんバス 

 急行  100号系統 
イメージ 7
撮影:東山仁王門
この付近では往路と復路で経路が異なるが、これは東大路三条交差点の規制により、南から東への右折が出来ないことが影響している。

イメージ 8
撮影:京都駅前
バス車内から撮影。

 回送車
イメージ 9
撮影:九条車庫前
九条営業所を操車場としているので、ここから京都駅前まで回送される。

 解 説 
2006年3月に梅津営業所の一部が京阪バスに委託されるようになった。同時期にチンチンバスが引退し、洛バスラッピングのノンステップ車が登場している。ただし臨時便も多数運行される関係上、全ての急行100号系統が洛バスラッピング車両で運行されることは皆無だった。また1991年度導入の京ちゃんバスが引退し、洛バスの一部が引き継ぐことになった。ただしどのバスが京ちゃんバスになるかは、完全に固定されていたわけではないようだ。

 D.梅津営業所(京都市/単区間
 2008-01~2012-03

 洛バス100号系統ラッピング   一般車用方向幕 

 京ちゃんバス 

 急行  100号系統 
イメージ 10
イメージ 11
撮影:京都駅前
100号系統で運用中に撮影できたのはこの日だけ。

イメージ 12
イメージ 13
撮影:自動車整備工場
2008年12月7日に、地下鉄竹田車庫に隣接した市バス整備工場で「市バス感謝祭in整備工場」が行われ、CNGバスの代表として6513号車が展示された。「京ちゃんバス」のマグネットシールが貼ってあったところだけ汚れが付いていないので、少し白くなっている。

 解 説 
2008年1月頃から洛バス用にリニューアルしたローマ字の大きい方向幕の使用をとりやめ、臨時便の一般車も使用している2005年1月以前からの幕に戻した。これにより方向幕が統一された。
京都市バスでは経営状態改善のため、新車の導入を抑制して車両の耐用年数を14年から18年に延長したが、CNGバスはガスボンベの耐用年数が15年となっているため、1997年度導入の5台は2012年3月までに廃車となっている。100号系統用3台の代替は、CNGノンステップ車の1559~1561号車だが、ラッピングは施されずに一般塗装のまま100号系統専用となった。