三菱自動車リコール隠し事件の余波


2000年に三菱自動車の乗用車部門とトラック・バス部門で相次いでリコール隠し事件が発覚し、その対応に追われて排気ガス対策が後手後手に回ってしまった。2003年には当時の筆頭株主であるダイムラー・クライスラー主導でトラック・バス部門は分社、さらに同社から資本提携を打ち切られるなど、三菱自動車工業は廃業の危機に陥ることになった。
そんな状況なので、日産ディーゼルと提携して排気ガス浄化システムの技術提携を受けることとなった。この提携ではコスト削減のため両社で重複する車種を削減することとなり、大型ノンステップバスは、日産ディーゼル・スペースランナーRAを三菱ふそうエアロスターSとして販売するので、三菱ふそうオリジナルの駆動系を右側にオフセットさせた大型ノンステップバスは、2007年8月で製造中止となってしまった。その後三菱ふそうオリジナルのノンステップバスは復活するが、ワンステップバスをベースとしたものとなり、右側オフセットの駆動系が復活することは無かった。これは排気ガス規制対策が間に合わない関係で、日産ディーゼルのエンジンを搭載することになったが、右側オフセットに対応させるには補機類の配置を見直す必要があることや、フルフラットノンステが国土交通省認定に対応しないことなどがある。