2017年度 エルガ(2代目) ノンステップ(HB5.3m)

エルガ(2代目) ノンステップ (HB5.3m)
2017年度導入車(2018年2・3月登録)

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 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:2PG-LV290N2
車体架装:ジェイ・バス
車種名:エルガ(2代目)
車体:前中扉部分ノンステップ
全長:10430mm
全幅:2490mm
全高:XXXXmm
エンジン型式:4HK1-TCH型 水冷4サイクル
            (インタークーラー付)
シリンダー配列:直列4気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク115mm×125mm
総排気量:5193cc
圧縮比:16.5
最高出力:177kW(240ps)/2400rpm
最大トルク:735N・m(75kg・m)/1400~1900rpm
搭載方法:縦置き直立
変速機:トルクコンバータ式6速AT(アリソン製)
シフト:ボタン式セレクタ
乗車定員:
クーラー:デンソー
行先表示機:幕式
備考:国土交通省認定標準仕様ノンステップバス
         平成28年排出ガス規制適合
         (ポスト・ポスト新長期排出ガス規制適合)
         平成27年度燃費基準+5%達成
         ISS(アイドリングスタート&ストップ)装備
         ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)装備
         ANBH(オート・ニュートラル・ブレーキ・ホールド)装備
         新ワンマンバス構造要件適合
         後部座席配置ラッシュ型
         給油口右側
         燃料タンク右前輪タイヤハウス部

 車両リスト 

 2018年2月 
3505 錦林出張所(京都バス)
3506 九条営業所(京都市)
3507 梅津営業所(JRバス)
3508 梅津営業所(JRバス)
3509 九条営業所(京阪バス)
3510 洛西営業所(近鉄バス)

 2018年3月 
3511 横大路営業所(阪急バス)
3512 横大路営業所(阪急バス)
3513 錦林出張所(京都バス)
3514 洛西営業所(近鉄バス)
3518 西賀茂営業所(京都市)
3519 西賀茂営業所(京都市)
3520 九条営業所(京都市)
3521 九条営業所(京阪バス)
3528 九条営業所(京都市)
3529 九条営業所(京都市)
3530 九条営業所(京都市)
3531 九条営業所(京阪バス)
3535 西賀茂営業所(京都市)
3536 西賀茂営業所(京都市)
3537 梅津営業所(京都市)
3538 梅津営業所(京都市)
3539 錦林出張所(京都バス)
3540 九条営業所(京阪バス)

 解 説 
2017年度の新車導入は、2015年度以降同様いすゞエルガと三菱ふそうエアロスターとなった。
2015年8月にいすゞエルガは、登場以来初めてのフルモデルチェンジを行い2代目となった。同時に統合モデルである日野ブルーリボンIIは、モデルチェンジに伴いブルーリボンと名称を改めている。ブルーリボンのハイブリッドは同時にモデルチェンジされたが、エルガのハイブリッドとCNGは、当面の間先代モデルが継続販売されていた。後にCNGはラインナップから外れ、ハイブリッドは2018年4月にブルーリボンと同一モデルでラインナップされた。
今回のモデルチェンジで一番劇的に変わったのは、エンジンのダウンサイジングで、6HK1系6気筒エンジンから4HK1系4気筒エンジンとなった。基本設計が同じH系のエンジンで、ボア×ストロークも全く同じなので、排気量は2気筒減ったため2/3の5193ccとなっている。排気量ダウンによるパワーダウンを防ぐため、ターボチャージャーを低回転域で効く高圧段ターボと、高回転域で効く低圧段ターボの2つを装備したツインターボチャージャーにしている。これはシングルターボチャージャーの場合、大型だと高回転域でのパワー/トルクはあるが、排気ガス流量の少ない低回転域ではターボの効果が薄くて応答性が悪い。逆に小型だと低回転域の応答性は良くなるが、高回転域では容量不足となり、パワー/トルクに満足したものが得られない。これを両立させるために、サイズの異なるターボチャージャーを2基装備した。
トランスミッションは通常のMTが廃止され、MTベースで自動変速する6速AMTと、アリソン製のトルクコンバータ式6速ATが設定されている。これによりクラッチペダルのあるモデルは無くなった。これは排気ガス規制対策や燃費規制対策で、トルクカーブがフラットで効率の良い回転域だけを極力使用するためだと思う。
現行のエルガ及びブルーリボンからは、ノンステップバスのみのラインナップとなり、ワンステップとツーステップはラインナップされていない。前扉をグライドスライドドアから折戸に変更してフロントオーバーハングを短縮、さらに前述のエンジン小型化とMT廃止により、リアオーバーハングも短縮された。これによりホイールベースが延長され、その分低床エリアが拡大されている。エルガとブルーリボン(通常のディーゼル車)のラインナップには、全長10430mm・ホイールベース5300mmのN尺と、全長11130mm・ホイールベース6000mmのQ尺があるが、京都市バスではすべてN尺での導入となった。従来は営業所によって11mクラスと10.5mクラスを分けて導入していたが、エルガに関しては2015年度導入車よりN尺で統一されている。多分従来11mクラスを導入していた営業所ではややサイズダウンとなるが、ホイールベース6000mmのQ尺では取り扱いに困るという判断だったのだろう。烏丸営業所のみ地上設備の関係からか、2015年度以降は三菱ふそうエアロスターを導入している。
国土交通省認定標準仕様ノンステップバスは、2015年より仕様が変更されており、それに対応するためノンステップエリアの座席を優先座席も含めて全て前向きとした。また中扉のスロープも標準仕様の反転式とすることで、取扱いを容易にしている。また仕様に合わせて車椅子固定装置は巻き取り式となった。座席を全て前向きとしたことで、燃料タンクを低床部に設置することが出来ないため、前輪タイヤハウスの上部に設置してある。メーカー標準仕様では左前輪に設置してあるが、右前輪上部や両方共も選択可能となっており、京都市バスでは右前輪部仕様で導入されている。燃料タンク設置によりタイヤハウスが大きくなるため、そこには座席を設置することが出来ず荷物置き場となった。低床部右側の最後部座席は、標準では低床部に固定なのだが、京都市バスの導入車では1段高い床を設定してそこに設置してあり、低床部座席との間に仕切りが設けられた。また従来から京都市バス独自の仕様として、左前部にセーフティウィンドーが設置されていたが、現行のエルガは前扉を折戸としたため、開閉用シリンダーが干渉しており、従来よりも効果はやや劣る。
2017年8月に初のマイナーチェンジが行われ、平成28年排出ガス規制(ポスト・ポスト新長期排出ガス規制適合)に適合した。エンジンは従来の4HK1-TCS型を改良したので型式が4HK1-TCH型となる。最高出力は184kW/250psから177kW/240psへややダウンしているが、最大トルクの数値は変わっていない(735N・m/75kg・m)。しかし発生回転数が従来の1600~2300rpmから1400~1900rpmへと低回転寄りになっている。これはより厳しくなる排気ガスと燃費の規制強化対策だろう。ヘッドランプはLOWビームにLED式を採用したので、目つきが少し変わった。運転席ではシフトレバー部(セレクター部)の位置と形状変更により、足元スペースが拡大されている。2017年9月にはトップドア仕様も追加された。
2016年度導入車と同様に、フロントバンパー上部にLEDデイライトが装備され、運転席側に補助ミラーが追加されている。また後部のステッカーも前年度車同様車いすステッカー以外すべて窓ガラスに貼付されている。高床部右側の一番前にLCD表示機が追加されたのも同様だが、これは2019年度末までに小型車を除く全車標準装備とするため、在来車にも取り付け改造が進行中。外観上での最大の変化は、側面の方向幕が従来は中扉のすぐ後方だったのが、前扉と中扉の間になった。これは増え続ける観光客の増加で遅延が多発しており、その対策の一環として乗降・運賃支払い方式を、中乗り前降り後払いから前乗り前払い中降りに変更することが予定されており、両扉からの視認性を考慮して変更したのだと思われる。
2018年2月から3月にかけて全36台が導入された。