2016年度 エルガ(2代目) N尺ノンステップ

エルガ ノンステップN尺
2016年度導入車

 主要諸元 
メーカー:いすゞ自動車
型式:QDG-LV290N1
車体架装:ジェイ・バス
車種名:エルガ(2代目)
車体:前中扉ノンステップ
全長:10430mm
全幅:2490mm
全高:3020mm
エンジン型式:4HK1-TCS型 水冷4サイクル
            (インタークーラー付)
シリンダー配列:直列4気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク115mm×125mm
総排気量:5193cc
圧縮比:16.5
最高出力:184kW(250ps)/2400rpm
最大トルク:735N・m(75kg・m)/1600~2300rpm
搭載方法:縦置き直立
変速機:トルクコンバータ式6速AT(アリソン製)
シフト:ボタン式セレクタ
乗車定員:76名
クーラー:デンソー
行先表示機:幕式
備考:国土交通省認定標準仕様ノンステップバス
         平成21年新長期排出ガス規制適合車
         アイドリングスタート&ストップ
         新ワンマンバス構造要件適合
         後部座席配置ラッシュ型
         給油口右側
         燃料タンク右前輪タイヤハウス部

 車両リスト 

 2017年2月 

 2017年3月 

 解 説 
2016年度の新車導入は43台で、内訳はいすゞエルガが38台、三菱エアロスターが5台となる。
2015年8月にいすゞエルガは、登場以来初めてのフルモデルチェンジを行い2代目となった。同時に統合モデルである日野ブルーリボンIIは、モデルチェンジに伴いブルーリボンと名称を改めている。ブルーリボンのハイブリッドは同時にモデルチェンジされたが、エルガのハイブリッドとCNGは、当面の間先代モデルが継続販売される。
今回のモデルチェンジで一番劇的に変わったのは、エンジンをダウンサイジングして、6HK1系6気筒エンジンから、4HK1系4気筒エンジンを採用した。基本設計が同じH系で、ボア×ストロークが全く同じなので、排気量は2気筒減ったため2/3の5193ccとなっています。排気量ダウンによるパワーダウンを防ぐため、ターボチャージャーを低回転域で効く高圧段ターボと、高回転域で効く低圧段ターボの2つを装備している。これはシングルターボチャージャーの場合、大型だと高回転域でのパワー/トルクはあるが、排気ガス流量の少ない低回転域ではターボの効果が薄く、応答性に難がある。また小型だと低回転域の応答性は良くなるが、高回転域では容量不足となってしまう。このため両方のいいとこどりを目指して、サイズの異なるターボチャージャーを2基装備することにした。
トランスミッションは通常のMTが廃止され、MTベースで自動変速する6速AMTと、アリソン製のトルクコンバータ式6速ATが設定されている。これによりクラッチペダルのあるモデルは無くなった。これは排気ガス対策や燃費対策で、トルクカーブがフラットで効率の良い回転域だけを極力使用するためだと思う。
現行のエルガ及びブルーリボンからは、ノンステップバスのみのラインナップとなり、ワンステップとツーステップはラインナップされていない。前扉をグライドスライドドアから折戸に変更してフロントオーバーハングを短縮、さらにエンジンの4気筒化とMT廃止により、リアオーバーハングも短縮された。これによりホイールベースが延長され、その分低床エリアが拡大されている。エルガ&ブルーリボンのラインナップには、全長10430mm・ホイールベース5300mmのN尺と、全長11130mm・ホイールベース6000mmのQ尺があるが、京都市バスではすべてN尺での導入となった。従来は営業所によって11mクラスと10.5mクラスを分けて導入していたが、エルガに関しては2015年度導入車よりN尺で統一されている。多分従来11mクラスを導入していた営業所ではややサイズダウンとなるが、ホイールベース6000mmのQ尺では取り扱いに困るという判断だったのだろう。烏丸営業所のみ地上設備の関係からか、エルガは導入されれず、2015年度同様三菱ふそうエアロスターを導入している。
国土交通省認定標準仕様ノンステップバスは、2015年より仕様が変更されており、それに対応するためノンステップエリアの座席を優先座席も含めて全て前向きとした。また中扉のスロープも標準仕様の反転式とすることで、取扱いを容易にしている。また仕様に合わせて車椅子固定装置は巻き取り式となった。座席を全て前向きとしたことで、燃料タンクを低床部に設置することが出来ないため、前輪タイヤハウスの上部に設置してある。メーカー標準仕様では左前輪に設置してあるが、右前輪上部や両方共も選択可能となっており、京都市バスでは右前輪部仕様で導入されている。燃料タンク設置によりタイヤハウスが大きくなるため、そこには座席を設置することが出来ず荷物置き場となった。低床部右側の最後部座席は、標準では低床部に固定なのだが、京都市バスの導入車では1段高い床を設定してそこに設置してあり、低床部座席との間に仕切りが設けられた。また従来から京都市バス独自の仕様として、左前部にセーフティウィンドーが設置されていたが、現行のエルガは前扉を折戸としたため、開閉用シリンダーが干渉しており、従来よりも効果はやや劣る。
2016年度導入車との違いは、外観上ではフロントバンパー上部にLEDデイライトが装備され、運転席側に補助ミラーが追加された。また後部のステッカー位置が若干変わっている。内装では混雑時でも後方の乗客に案内できるよう、高床部右側の一番前にLCD表示機が追加された。表示内容は従来からの前部に備えてあるものと同じ。
2017年2月から運行が開始されており、3月のダイヤ改正までに全てのツーステップバス及び初期ノンステップバスワンステップバスの一部を置き換えた。これにより京都市バスのすべての車両がバリアフリー対応となった。またアイドリングスタート&ストップ機構が、三菱ふそうCNG車を除き全車装備となる。