2001年度 西工96MC K尺ノンステップ

西工96MC B-I ノンステップ
2001年度導入車


 主要諸元 
メーカー:三菱自動車工業
型式:KL-MP37JK改
車体架装:西日本車体工業
車種名:西工96MC B-I
車体:前中扉セミフラットノンステップ
全長:10520mm
全幅:2490mm
全高:2980mm
エンジン型式:6M70型 4サイクル水冷
過給機:無過給(自然吸気式)
シリンダー配列:直列6気筒
動弁機構:SOHC 4バルブ
ボア×ストローク135mm×150mm
総排気量:12882cc
圧縮比:17.5
最高出力:184kW(250ps)/2200rpm
最大トルク:882N・m(90kg・m)/1400rpm
搭載方法:縦置き右側オフセット
変速機:トルクコンバータ式5速AT
            (アリソン製ボタン式セレクタ)
乗車定員:62名
クーラー:
         平成11年排出ガス規制適合車
         アイドリングスタート&ストップ
         給油口右側
         燃料タンク右側

 車両リスト 

 2002年3月登録 

 解 説 
2001年度は2年ぶりに三菱ふそうが導入された。当然全てノンステップバスで、大型車が7台と中型車が4台となる。
三菱ふそうの大型ノンステップバスは、1996年度の試験的導入以来5年ぶりとなる。この間三菱ふそうの大型車は導入されてはいるが、ワンステップバスCNGツーステップバスだった。
三菱エアロスターは、1984年にMPシリーズをモデルチェンジした際に車種ネームが付き、1996年にフルモデルチェンジして2代目となった。2代目エアロスターでは、1997年に国産初の本格的なノンステップバスが追加されたが、当時はノーステップバスと称していた。京都市交通局も発売開始直後に試験的に導入したのが前述の2台だった。
2000年5月には平成11年排出ガス規制対応でマイナーチェンジされている。オリジナル車体での外観上の変化はほとんどないが、エンジンが改良が行われている。ノンステップバスは当初MTしかラインナップされていなかったが、このマイナーチェンジからアリソン製ATが設定されるようになった。
マイナーチェンジで搭載されるようになったのが6M系エンジンで、従来の直列6気筒6D1系エンジン(中型トラック・バス用)や6D2系エンジン(大型トラック・バス用)に代わり、平成10年排出ガス規制(中型車 KK-)や平成11年排出ガス規制(大型車 KL-)に対応できるよう新たに開発されたもの。動弁機構はSOHC4バルブを採用している。6M系エンジンは排気量が3種類あり、12882ccが6M70、8201ccが6M61、7545ccが6M60となる。大型バスであるエアロスターは6M70を採用し、標準出力車がノンターボ250ps、高出力車がターボ付320psとなる。ただしノンステップには当初標準出力車のノンターボしか選べなかった。
ノンステップバスを成立させる構造としては変化はなく、駆動系レイアウトは縦置のまま変えず、エンジンとデファレンシャルごと右側(非公式側)へオフセットさせている。低床化のネックとなるデファレンシャルが中央に無いので、後部まで低床エリアが確保できた。とはいえ完全なフルフラット構造にはなっておらず、フルフラットノンステップとワンステップベースの部分ノンステップとの折衷と言える。後部座席4列のうち、低床部から段差の無い床は前2列分だけであり、3列目は1段上がり、最後部はさらに1段上がる構造になっている。オフセットを右側にしたのは、前後扉でもノンステップを成立させるためのようだが、実際は純正車体のサンプルカーが1台作られたのみ(後に神姫バスが購入)で量産はされていない。乗客の流れを考えると、前中扉は前乗り先払い、前後扉は後乗り後払いに向いているから、地方で前後扉の需要はあると考えたのだろうが、後部扉付近の通路が極端に狭くなることや、車いすの乗降は中扉からが簡単であることなどから、一部で前中後の3扉車が導入されたに過ぎない。
前回導入の6419・6420号車ではホイールベース5300mmだったが、これだと収容できない車庫があるためか、標準的なホイールベース4800mmへ戻っている。トランスミッションはアリソン製のトルコン式オートマチックトランスミッションセレクターはボタン式となっている。
今年度導入車の三菱ふそう車は、屋根上のクーラーユニットが前寄りに搭載されており、外観上の大きな特徴となっている。このため同じ西工ボディでも、他車種との区別は容易である。純正車体でも前部に搭載しているケースがあるようなので、重量配分の問題だと思われる。
車内の座席レイアウトは当時の標準的なものだが、低床部をやや広めに取ったことや、前述のようにデッドスペースがあることなどから、高床部の座席は4列となっている。
2002年3月に7台が導入され、0321・0322・0323号車の3台が九条営業所、0324・0325・0326号車の3台が烏丸営業所、0327号車が洛西営業所に配置された。その後九条配置車と洛西配置車が烏丸に転属しており、2014年3月以降は7台すべて烏丸営業所の配置となっている。2002年度の三菱ふそう車も烏丸営業所に集結させているが詳細は不明。半地下構造の烏丸営業所特有の事情も絡んでいるのではないだろうか。