1993年度 エアロスターM MBECSツーステップ

エアロスターM ツーステップ MBECS
1993年度導入車

 主要諸元 
メーカー:三菱自動車工業
型式:U-MP618K改
車体製造:三菱自動車バス製造
全長:10140mm
全幅:2490mm
エンジン:6D22型 直列6気筒
最高出力:165kW(225PS)/2200rpm
最大トルク:765N・m(78kg・m)/1400rpm
変速機:フィンガーコントロール式5速MT(FCT)
備考:前後扉ツーステップバス
   平成元年排出ガス規制適合車
   ディーゼル・蓄圧式ハイブリッド(MBECS)

 車両リスト 

 解 説 
MBECSとは三菱ふそうが開発したディーゼル・蓄圧式ハイブリッドバスで、京都市交通局もモニター事業者として導入した。そのため型式に「改」が付く。このシステムは、通常ならブレーキ時に摩擦熱として大気に放出されてしまうエネルギーの回収を目指すもので、まずブレーキ時に発生する運動エネルギーを、油圧を介して窒素ガスを利用したアキュムレーターに蓄えます。そして蓄えたエネルギーが発進・加速時に油圧モーターを介してエンジンをアシストすることで、発生する黒煙や窒素酸化物を低減させるというものです。モーターとバッテリーを付加する電気式ハイブリッドよりもシステムが簡単で、制御も単純というメリットがあります。
しかし低速での停止・発進を繰り返す渋滞路ではエネルギーが大して溜まらず、アシスト効果が期待できず、思ったほど省エネルギー効果が無かった。それどころか、システムの重量増加分が逆に負荷となり、黒煙や窒素酸化物が増えてしまう。よってメリットが少ないことから、導入した事業者は限られている。後に改良されて正式な型式となったものの、京都市交通局ではモニターの5941号車1台だけの導入に留まった。
またハイブリッド機構の小型・軽量化が出来ず、床下以外の搭載が難しいため低床化出来ない。中期安全ブレーキ規制への適合も難しいことから開発は中止され、三菱ふそうのラインナップから2000年に姿を消した。他社も同様なシステムを開発しており、いすゞがCHASSE、日産ディーゼルがERIPと称していた。しかしどちらも試作だけにとどまっており、量産化はしてない。
導入当初は市バス一般塗装で、低公害車を示す水色のハートマーク(低公害車の文字入り)及びMBECS ディーゼル・蓄圧式ハイブリッドバスの水色文字があった。このため側面広告看板は無い。